日本から飛行機を乗り継ぎ、一日車で移動して、さらに半日以上ボートに揺られてようやくトギアン諸島に到着します.　そのため旅行者が比較的少なく、インドネシアのなかでも美しいサンゴ礁が残されている地域です.　
　トギアンバビルサ（Babyrousa togeanensis）の生息が確認されているのは、マレンゲ島、タラタコ島、トギアン島、バトゥダカ島です.　東側のワレアバヒ島、ワレアコディ島では、現在バビルサの目撃証言は全くありません.　また、北西のウナウナ島でも確認されていません.　

　バビルサには、生存する３種（Babyrousa babyrussa　ヘアリーバビルサ, Babyrousa celebensis　セレベスバビルサ, Babyrousa togeanensis　トギアンバビルサ ）が知られています. 　種ごとに異なる形態学上の特徴をもち、生息地も異なります.

　インドネシアは緑に覆われた世界最大の群島国.　ユーラシア大陸とオーストラリアに挟まれた海域に17,500を超える大小様々な島が散りばめられており、「赤道にかけられたエメラルドの首飾り」と形容されています.　数多い島々のなかでも、バビルサは、ランの花のシルエットにも似たＫ字型のスラウェシ島（かつては、セレベス島）とその周辺のいくつかの小島だけに生息しています