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Taxonomy 分類 |
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かつて、バビルサはイノシシ科の一属一種(Babyrousa babyrussa)とされ、さらに生存するものが3亜種に細分されていました。2007年9月、その亜種は、頭蓋骨と歯の形態学上の相違を根拠として、「亜種」のレベルから「種」のレベルに引き上げられました。それに伴い、かつてのバビルサの学名(Babyrousa babyrussa)は、今後、ヘアリーバビルサの学名(Babyrousa babyrussa)として用いられます。(2007年9月17日、更新) |
<フィールド1>last modified: 17 September 2007 |
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このサイトでは、この種を学名に基づいて、「セレベスバビルサ」と命名します. 写真は、中部スラウェシ州北部の住民が所蔵していたセレベスバビルサの頭蓋骨を現地で撮影したものです
スラウェシ島北部と中部に分布するバビルサです. 雄の上顎の牙は太くて長く、体毛が短く極めて薄いのが特徴です. 現在、インドネシアをはじめ、世界各地の動物園で飼育されているバビルサは、この種です.
国際自然保護連合(IUCN)/SSC Pigs and Peccaries Specialist Group (1993)によると、この種は「vulnerable、危急種」です.
Edinburgh大学の研究チームが中心となって、精力的に研究が進められています. 一般にバビルサbabirusaといえば、この種を示すことが多く、インターネットで得られるバビルサの情報の大部分が、この種に限られています.
Babyrousa celebensis (Deninger 1910)
セレベスバビルサ (旧学名 Babyrousa babyrussa celebensis)
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国際自然保護連合(IUCN)/SSC Pigs and Peccaries Specialist Group (1993)によると、この種は「endangered、絶滅危惧種」です(1993年当時、本種は、「亜種」として位置づけられていました。).
1998年11月、マグニチュード7.6の地震がマンゴレ島を襲い、多数の死傷者と家屋被害がでました. また、不幸にも、アンボン島で勃発した宗教抗争が1999年末にブル島にも飛び火し多数の死傷者がでたとのことです. 平穏な生活を取り戻してもらいたいものです. そして、一日も早く、ゴールデンバビルサとの対面を実現させたいものです! 写真は、ボゴール動物学博物館に所蔵されているヘアリーバビルサの頭蓋骨を特別に許可をいただいて撮影したものです.
スラウェシ島の東側に位置するブル島とスラ諸島のタリアブ島とマンゴレ島に生息しているとされるバビルサです. 3種類のうち、からだが最も小さく、雄の上顎の牙は細くて短く、体毛が長くて濃いのが特徴です. 体毛の色は、白、クリーム、黒、ゴールドです. この特徴から、専門家の間では「ゴールデン・バビルサgolden
babirusa」や、「ヘアリー・バビルサhairy babirusa」の名で知られています. このサイトでは、この種を「ヘアリーバビルサ」と命名します. このヘアリーバビルサの生息地調査は、ほとんど進められていません.
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Babyrousa babyrussa (Linnaeus 1758)
ヘアリーバビルサ (旧学名 Babyrousa babyrussa babyrussa)
このサイトでは、この種を生息地名に基づいて、「トギアンバビルサ」と命名します. 写真は、トギアン諸島マレンゲ島の住民が所蔵していたトギアンバビルサの頭蓋骨を現地で撮影したものです.
種名が表わす通り、トギアン諸島(Togian Islands)に生息しているバビルサです. バビルサ4種のうち、からだが最も大きくなる種でありながら、雄の上顎の牙は細くて短いのが特徴です. 20年ほど前にSelmierが観察記録を残したものの、未だに多くの謎に満ちたバビルサです.
国際自然保護連合(IUCN)/SSC Pigs and Peccaries Specialist Group (1993)によると、この種は「endangered、絶滅危惧種」です
(1993年当時、本種は、「亜種」として位置づけられていました。).
筆者らはこの種に興味をもち、調査を続けています. 現在、トギアン諸島のうち、マレンゲ島、タラタコ島、トギアン島、ダトゥダカ島で生息が確認されています.
Babyrousa togeanensis (Sody 1949)
トギアンバビルサ (旧学名 Babyrousa babyrussa togeanensis)
種名が表わす通り、スラウェシ島南部のボラバトゥ(Bola Batu)で発見されたバビルサです。からだが小さな種であり、多くの謎に満ちたバビルサです. この種に関する主な情報は、亜化石の調査によるものです。
このサイトでは、この種の学名に基づいて、「ボラバトゥバビルサ」と命名します。
Babyrousa bolabatuensis (Hooijer 1950)
ボラバトゥバビルサ (旧学名 Babyrousa babyrussa bolabatuensis)