さらにやってみてわかった英単語暗記法
英単語の続編にあたる第6信です。ピーナツ暗記20回までの経験の後、本業で手一杯となってしまいました。このサイトは約1年、手つかずでした。それにもかかわらず訪れて下さる方がおられ、感謝申し上げます。「生きてるか?」のお尋ねまであるのにはおそれいるばかりでした。お気にかけて頂き、本当にありがとうございました。
で、3月11日の震災です。被災地の方におかせられましては、謹んでお見舞い申し上げます。
当方、被災したわけではありませんが、郊外に住まうため、首都圏の皆様と同じく、当日都内泊まり込み、次の日の帰宅難民から始まり、もろもろの小さなエピソードを経て、約1ヶ月ほど自動車通勤から電車通勤に変更を余儀なくされました。電車といいましたら「通勤の友」。ひさしぶりにピーナツを引っ張り出してみました。英書読みを再始動するためのウオーミングアップです。結局5月連休までに、21回目から30回目まで繰り返しました。約2ヶ月の再学習です。
この1年ちょっとの間にピーナツ英単は新装版に替わり、カラフルで厚手の紙に変わりました。もっと驚いたのはピーナツ君です。そうはいっても内容は完全に「もとのまま」。「それなら、前のままでいいさ」、と書き込みしてある旧版を再利用しました。新版は鉛筆書きが効かない紙質ですので旧版には旧版なりのメリットがある気すらしました。気が付いたことがありますので今回も少しごたくを並べます。
![]() 今回驚いた新事実は、曖昧マークを付けておいた単語はほぼすべてそのまま曖昧だったということです。震災の余波が続く電車の中、通勤の友にしだして、本当に驚きでした。この事実を「情けない、トホホ・・・」と一瞬感じたのですが、すぐ考え直しました。「脳はそれなりに誠実だった!」のです。薄い記憶は薄かっただけのことです。ただし、集中する場所が狭まったため、ねらい方もしぼられ、毎日新発見があったりして、今回の21回から30回目も飽きてだれるかと思いきや、毎日忙しく目標消化におわれました。ある意味震災以来の個人的な無気力状態が薄まりました。
その後何していたか・・・もちろん仕事していたのです。英書読みはどうした?ですか。以上のごとくですからほぼ休業状態でした。
![]() 前回は、かつて凝っていたDUOとの比較をするほどの余裕はなく、「あー、20回終わったー、ひと休みだー」だったのですが、今回は心に若干の余裕があったのか、すぐDUOを読み直してみました。予想通り、数単語、実はDUOのときも勢いで覚えただけの、またしてもひっかかっていた単語がありました。例えばderiveとかrestore、です。次に改めて気が付いたのはDUOが連語や語法までにもしっかり気配りされていたことです。この点、目的のずれですから当然ですが、改めてよくも詰め込んだものだと感心しました。DUOは大学受験向きということですね。さらに、もう一つ、DUOの逆襲とでもいえばいい注釈の存在に今回改めて気が付きました。
![]() ピーナツではスルーしている、needle and thread、 humble birth などの意味合いをDUOではっきりと説明しています。しかもその説明に従うとどうもピーナツの訳に疑問符が付く箇所があります。もともとピーナツの日本語訳の中には懲りすぎかもしれない訳がありますが、紙面の制約で一対一対応の日本語訳にせざるをえない以上しかたないことですね。本当はピーナツも余白に、「これはという例文」を2〜3個小さな活字で印刷すればよかったのですよね(今はやりのコーパス引用でもよかったのですが・・・できたら味のある例文があるとよかったということです)。
![]() 車通勤に戻ってから、しばらく車のオーディオで毎日CDをかけました。今回は約60分の移動時間中、30分は聞いていました。おそらく記憶の量がある種の臨界点に達したからだと思います。脳への浸透度が今一歩だと、「音源を聞いていても心地よくない」からかと推測しますが、前回(通算20回くり返しまで)はあまり積極的には聞く気になれず、聞いてもせいぜい20〜30ピーナツも聞くと脳が疲れ、読み上げるスピードについていけなくなったものです。今回はほぼ完全に理解できました。
また、小さな発見がいつくもありました。いわゆる注意する発音・アクセントはほぼ知っていたのですが、例えば、テキストにも発音表記がない、ハレー彗星(Halley's Comet)がヘーリーズコメットと聞こえ、ヘーリーがわからず何度も聞き返したりしたのが印象的でした。
![]() 全部で155ありました。毎日20分ほど暗唱しました。第2義だと思えるタイプがいくつあるかとか、銅・銀・金の順で暗記に曖昧さの残る語数が増えている(155のうち、ある時点で22%、36%、42%でした。どう角度を変えて集計してみてもこのこのような比例割合になります)こととか、パソコンに打ち込んで見て、3冊を比べることでわかる微妙な違いがほどよくわかり、おもしろかったです。ここのところ(5月)毎日就寝前に全部を眺めています。
![]() Jeannette Walls の 「 Half Broke Horses 」(2009・320ページ)
「大草原の家」の大正・昭和初期版とでもいえばいい、西部のたくましい女性の一代記。振り返ると日本の大正・昭和の女性とは何と違う生き方!15才で代用教員となり、アリゾナ北部の任地まで一人で愛馬パッチ(Half Broke Horsesの名前の由来?半野生の馬を自分で飼い慣らした。)に乗り、28日かけて!行くのですよ。15才と言ったら、高校1年生の女の子ですよ!女性が馬で1ヶ月の一人旅だけでも想像の外ですが、任地での苦労話、代用教員ゆえのお役ごめん放逐の悲哀、帰宅しても生家には居場所がもはやない・・・辺境の地での模索の後、正反対のシカゴに行くのです。当時のシカゴはアメリカの最先端。このぶれがまたすごい。コヨーテに襲われる地からデパートのある地までの変化!そこで最初の結婚をするのですが・・・夢はここでも破れるのです。ただし、そこはアメリカの女性、苦闘の末、正規の教員資格を取るのです。そしてついには飛行機操縦までする。その間、さらに何度挫折があったことか・・・
James Hilton の 「 Goodby Mr Chips 」(1934・124ページ)
ご存じな方はご存じなのですが、今の時代、きっと知らない方が多い名作です。あえてあらすじを書きますと、かつての大英帝国をささえたグラマースクールの名物先生の、実にノーブルかつ静謐な一生。一旦は教職を退いた後も、第一次大戦下という非常時に、乞われて愛する学校に校長代理として、現役復帰し、学校を守り抜く。しかも自分の本分を悟る故に正規の校長職就任を自ら断り、名物先生の名を再び選び・・・若き日の愛妻の面影を常に背景にして物語りは進む・・・
を読みました。それぞれ27、12単語、「ピーナツにあるとわかり、そして私が今回お世話になった気がした、ひっかかる単語」がありました。前回はそこまでする気力がなく「何となく、あるある」レベルでした。さらに
John Steinbeck の「 Of Mice And Men 」(1937・121ページ)
この作品は残念ながら私にはおもしろくない作品でした。121ページで描く内容なのかどうか・・・戯曲原稿なのでしょう・・・この作品を元にして俳優が肉付けした演技をすればあるいは・・・というなぜの多すぎる作品でした。なにしろ殺されることになる重要な役どころの女性がその名前すらわからないまま。実験作品とでもいう小品。ただし、読むこと自体は容易です。
James Herriot の「 All Creatures Small And Large 」(1972・437ページ)
以前に購入し、気にしていたのですが、437ページと大部なため、読むのを後回し後回しとしていた本です。邦訳(「ヘリオット先生奮戦記」)で以前読んだ(今回読み返していて、内容は十に一つも覚えていませんでした)のですが、短いエピソードをこれでもかと詰めた、中身の濃い一冊でした。一言で言うと、獣医の日常生活ですから、獣医・畜産関連用語で少し苦しむのです。最もそれはよくあることと達観出来るようになりましたので、新品に替えた電子辞書片手にチャレンジしました。再開4冊目ですので、英書読み休止以前の感覚が戻り、加えて「この単語、あったあった、知ってる知ってる」感が加わり、いい感じで進みました。
![]() 奇をてらわず、時代に先走らず、偽悪的傾向にも向かわず!(身震いするほどつまらない読書傾向ですね・・・)もうそれでいいです。世の中のいやなことやものは現実だけでもういいです。読書で恐れおののきたくない!ただし、「へー・・・」と言い続けたいのです。有名なテレビ番組と同じく、この、「へー・・・」が重要です。へーの大海を航海するには英書はいいかもしれません。何しろ「10億人のへー・・・」が詰まっています。どうでしょう、こんなキャッツフレーズで?
![]() ところでさる2011年5月17日児玉清さんがお亡くなりになりましたねー。当方、本当に悲しんでおります。テレビというジャンルと読書というジャンルは「脚本の原作本」という一方的な関係以外、本当に縁が薄く、接点が少ないのに私、閉口しています。その接点の役をしてくださっていた数少ない出演者、児玉さんを失ってしまったのですから・・・・・。特に洋書も辞さない姿勢がありがたかったのです。「お薦めの洋書」などというテーマはまだ今の日本ではちと時期尚早で、初心者用の英書以外、今一つ盛り上がっていません。テレビでは洋書のジャンルを推薦すること自体が「言うは易く行うは難し」の趣味らしく、公言できるタレントがいません。テレビの言い方だと児玉さんのおかげで「いす」が用意され始めていたのに・・・今後替わりをしてくださる出演者はいるのでしょうか・・・。
当サイト、今もそうですが、「普通のおじさん」が書いています。従って毎日の生活には「家人も含め、誰も聞きたくないつぶやき(ぼやき)」以外ネタはまずありません。ツイッターが流行る時代、今後は無い知恵をしぼり出し、短めのご報告で良しとしたいと思っています。ますます役に立たなくてもどうかご勘弁を!続けることに少しは意味があるかもしれません・・・うーん・・・どうかなー・・・意味などなくてもいいか・・・。
今回もお読み下さってありがとうございました!
(最終稿 2011年6月22日)
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