A 訪問して下さった方のおよそ90%の、「真剣に合格を目指して見て下さる生徒さん」と「保護者の方」へ
   −過去問以上の対策問題はありません!
   −がんばって都立中に受かろう!
 B 訪問して下さった方の0.01%の、「作問を担当された方々」へ。誉めるときは誉めるです!
   −各当事校出題担当の先生方、東京都教育委員会、千代田区教育委員会の方々は大いに賞賛されるべきです。
   −今後も解いておもしろかったといわせる問題を作り続けて下さい。
 C 訪問して下さった方の10%の、「脳トレの一種かもしれないと思って下さる方」へ。
     安心して下さい!勘違いではないのです。本当に「良い頭のトレーニング」なのです!
   −キャッチフレーズは、「公トレ!」−「脳トレより100倍おもしろい−公立中問題トレーニング」です。
   −自分で解いてみると脳が「発熱」します。不思議な充実感・達成感を感じるのです。まず解いてみましょう!
□ あえて書くそのわけ−けっこう血を流してきたのです!
□ 受験準備のコツ その1
□ 都立中問題の特徴を独自にえぐる!
□ 実際の過去問時評  白鴎中入試がスタートしてからほぼ2年ごとに追ってみました。
     (具体的な問題に対する各論は各校別記事、全11校別をご参照下さい)
□ 実際の過去問時評−各校別 白鴎中 両国中 小石川中 桜修館中 武蔵中 立川国際中 富士中 大泉中 三鷹中 南多摩中 共同問題 九段中
□ 勝手に名作ベスト10 ぜひ味わってみたい問題の「名作認定」を不埒(ふらち)にもしてしまいます!
□ 今後に向けて−首都圏公立中問題時評−横浜南中、横浜フロンティア中、市立浦和中、千葉県立千葉中、大阪府立富田林中の問題を探る。
□ 最後に一つだけ提言をさせていただきます。
□ 以下続編(2018年冬予定)に続く。
 およそ100セットの労作があるのです。消え去るのはもったいない。誰かが評論・総括して欲しい。白鴎中が平成17年2月3日に始めてから13年、待っていましたが、あるのは塾の呼び込み宣伝。いいことを言っていても途中から塾の宣伝で話はしりすぼみ。
 誰も100歩下がってきちんと評論してくれません。それなら「蟷螂の斧」ですが、自分で書くことを思い立ちました。ただし、当方には評論する資格も肩書きもありません。ないながら血の出る実体験はしてきました。以下簡単な経緯です。
 都立白鴎中ができると決まった年、何事が始まるのか今一つピンときませんでした。疑心暗鬼の中、最初に思った当方の感想、「この過去問例を見ておもしろがる生徒さんは脈がある!それなら一緒にやってみよう!」でした。
 この決意から出発したのはいいのですが、現実は1年目から「過去問を見て難しさにうなる生徒さん」との闘いでした。当初10年の雌伏期。
 最初に試験をした年はお預かりした生徒さんは男の子さん3名でした。白鴎中の入試が近づくと驚いたことに応募者の倍率が高すぎ、試験会場、人員等の準備ができないので足きりをするという名目で小学校の成績でふるい分けが行われました。その時点で3名とも不合格でした。かわいそうに!下町に位置する個人の塾での最初の不出来な結末でした。試験すら受けさせてもらえない惨状!記憶が定かではないですが、足きりでも受験料はとったのではなかったのでしょうか?
 その後、全国の先行する公立一貫中の試験問題を参考にして、問題のイメージを膨らませましたが、西日本中心の過去問と都立中の問題はまた様子が違い、質問の感触が違いすぎました。対策本が数種類でていましたが、どれもぴたっときません。それはそうです、参考にするものがないまま作ったのですから。今(2017)も同じ本、出版されています。羊頭狗肉の典型。
 当時から、過去問に勝る対策本はないと思い定め、じょじょに増えてくる過去問を材料に、小学6年生の9月から対策を始めるというスタイルで私立中入試対応生のプラスアルファーの学習として練習してきました。結果、都立桜修館合格生、富士中補欠生などがでましたが、安定しません。最初の10年の雌伏期間でした。
 くさらずに励まし励まし、ようやくこの5年、大変有能優秀な同僚を得、生徒さんも、問題を楽しがるレベルの生徒さんが出始めました。年にわずか1人か2人の受験でしたが、白鴎中合格生を3名だせるようになりました。受からなかった子も私立受験や高校受験でいい結果を続々だし続けてくれました。よかった!受かった子も受からなかった子も本当にお疲れ様でした。
 100を越す過去問。整理し尽くしてはいませんので若干のとりこぼしはあるかもしれませんが、この春でほぼすべて体験しました。区切りのホームページアップです。      
       2017年7月22日(土)
 
 過去問以上の対策問題はありません!「あーおもしろかった」と感じたらあなたには脈があります!がんばって都立中に受かろう!
 1冊およそ2000円×11冊=22000円の家庭塾!です。あなたが独力で声の教育社の解答を理解できるのなら、自宅でできます。保護者の方が家庭塾のようにつきあって(または引っ張って)下さる環境があるならこれまた、鬼に金棒!
 そうはいっても、現実は誰か外部の方の手助けが必要なのが普通。ただし、大手予備校がいいか、個別指導塾か、専門塾か、という分類から始まり、あれこれあげつらって迷う、またはその真逆。どこでも同じでしょ!大手が安心!実績のあるところへ行かせるわ!私立中受験塾選択のときと同じ迷いです。商品と違うのは生徒さんは「生きている」「個性がある」「相性」「他のお稽古事」こういうところでうろうろしてしまうのです。
 塾側からすると、一つだけはっきりとした特異性があります。都立中受験のお相手は大変手間がかかるのです。問題が特殊すぎ、素人が先生のまねをする個別指導塾での指導は無理がありすぎるのです。わかりやすい例を言うなら、「複数ある解答の一つしか説明できない先生」では力量不足すぎなのです。複数に目配りしようとすると事前準備は専門化します。つまり膨大な時間がかかります。失礼があったらお詫びいたしますが、バイトの大学生さんでは「分かったふり」しかできません。
 大手塾は必死にカリキュラム化しようとしますが、逆にコース在籍を2年以上に設定しなくては会社経営として不安定すぎますので、費用も時間も無駄がでます。つまり、公立一貫校コース在籍を2〜3年(小4から公立中コースなどの例)持たすために、しなくてもいいどっちつかずの学校勉強指導部分が長くなる。手助けしなければ学校勉強が出来ない生徒さんはそもそも公立一貫中には受かりません!費用が安いことが公立中の利点の一つなのに高い授業料を払って塾にいくのは根本矛盾ですね。
 添削は塾内では普通できません。または相当な高額設定しなくてはならなくなります。個人塾の先生は多忙のため手がまわりません。三者三様、良い悪いの両方をかかえているため、一押しの塾は・・・
 いやいや、きっとそういう方はおられるのです。自分が結構必死にここまで対応してきたせいで少しひいき目になりますが、どちらかというと組織からはずれたところにいる個人塾の素晴らしい先生・スタッフの方かと推測しております。ただ、そういう幸せな出会いはまずない。個人塾だと宣伝力が足りず、またはあえて宣伝はしない!と言い切られますので、普通に探している方は、ママ友たちの「大手だけしか比較しない病」にじゃまされてたどりつけないのです。うまくいかない方は当方のサイトなども参考にして下さい。いずれにしろ、見てくださったのでしたらありがとう。がんばってね!
 まず最初に問題を手に入れ、とにかく1回やってみましょう。「あー!意外におもしろかった!」と思ったらあなたには脈がある!その延長で20〜30セットもし試せたら、それは自信につながります!それで不合格なら、そこからわかる真理は、この入試は「君の生き方のタイプ」とあっていないのです。落ちても卑下するなよ!出題する方もまだよくわかっていないのだから。次の目標に切り替えて若者らしく前へ進もう!
 そして、受かっても受からなくても、入試が終わったら一度きれいさっぱり忘れよう!こういう放電タイプのテストは、12歳が1年以上つきあう試験では決してありません。まだ修行中。中学、高校期は気持ちも新たに充電にいそしんで下さい!がんばってね!
 
 100セットの問題を考えた、各当時校担当先生方、東京都教育委員会、千代田区教育委員会の方々におかれましては、これは大いに賞賛されるべきです。明治以来の近代教育史にないタイプの試験です。PISA型試験という名付けがあったはずですので、原初系が外国にあるのでしょう?どうもこういう試験については本当のソースがどこにあるのか、から始まって、なぜ20年ほど前、西日本の京都や広島や岡山から試験がスタートして、東京になり、全国化したのか。まだとりいれていない県はなぜ実施しないのか?どれも文部科学省の知恵なことぐらいはわかりますが、はてななことだらけです。だれもこれでいいのかという議論をせずに、出されたから受容し、いつのまにか既成事実化してしまったのです。ニュースには決してならないタイプの大問題なのです。
 そうではあるのですが、今では東京の過去問遺産は100セット強(数え方によりますが、今2017年2月終了時がちょうどぐらいです。)になっているのですから、これはもはや文化遺産です。労をねぎらうにやぶさかではありません。
 「あーおもしろかった!」と受験生に思わせる問題を、今後も出し続けて下さるよう是非お願いします!「解いて、おもしろい!」こそが少子化時代の希望の星が集まる原動力。せっかく対象の皆様は関わるのです。それなら、「あたらしい文化」を創れ!ですよね。少し熱すぎますか?
 日本全国の各地域一貫中問題作成担当者の方々におかれましても同じ敬意を表させていただきます。関東地方の方は埼玉、千葉、神奈川に独特なすごい問題を出している中学があります。その精査はこの回のスピンオフ編でいたしましたのでそちらをご覧下さると幸いです。
 
 もちろん、キャッチフレーズは、「脳トレより100倍おもしろい「公トレ」−公立中問題トレーニング−」 ですよね。
 いや、本当におもしろいですよ。国語・算数・社会・理科だけでなく、たまにですが、家庭科や音楽・美術・さらに道徳?まで出題されるのです(この件はちょっと当方の皮肉が入ってます)。是非試してみて下さい。たかだか12歳が解く問題なのですから。12歳ですよ!
 当方が考えます、「楽しむこつ」を書いてみます。
1 初めはこんなクイズなんて!と思いがちです。しかし自分で解いてみると脳が「発熱」します。人によっては脳が「汗をかく」のだそうです。とにかく解いて見ると不思議な充実感・達成感を感じるのです。ですから、まあ、解いてみましょうよ!
2 テスト時間は無制限にして、アイデアが浮かぶまで楽しむ。45分で全部解くのは、はなから無理です。楽しめない。 
3 各校一年分の中、一番おもしろそうな一題だけチャレンジする。全部解こうとよくばるとおもしろくない問題も結構あり、疲れていやになります。 
4 生徒さんは一つ答えが出れば良いのです。それに対し、公トレチャレンジャーの皆様はわざと別解をいくつも考えて悦に入 りましょう。 
5 おばちゃん仲間、おじちゃん仲間など、同志を募り、ああでもない、こうでもないとお互いの答えをけなし合う。仲が悪くなっても知りません。 
6 おもしろ問題ベスト10を決め、発表する。出題に関わった人が密かに喜んでくれます。
7 近所の子が受験したのなら、合格してもしなくても、「よくこの問題を12歳が解くなー」と感心し、ほめたたえる。
 各校の過去問集は平均、1冊2000円見当。毎年でる全国版(みくに出版発行。通称「銀本」。最新2018年版は公立中116校、私立中5校計121校掲載)は2700円。それがいやでしたら各校のホームページに最低3年分は載っていますよ。都立中の問題は、解答がたいてい複数あるのです。ホームページの学校発表は模範解答という名の一例のみしか載っていません。不親切というか、この姿勢はよくないです。これがストレスのもとになります。驚くことに、解法すら、わからないときはわからないのです。そんなときは、当方「俺はいったい今年でいくつになるんだ?」と情け無くなります。
 これに対し、業者の過去問題集は、模範例以外の解答も解法も100%ではありませんが、ほぼわかるのです。購入する価値は絶対にあります。
 その上で当ホームページもご覧下さると、アマゾンの評点で言えば星は0から3でしょうが、最低限いくつかは「ふーん」となり、ときどきは役にたち、せめて休憩コーナーとして利用すれば、おもしろい・・・かなー???
受かる生徒さんは長くて1年、最短なら、半年で受かります!2年以上の準備は「飽きてしまいます!」
1 小学校勉強はすべての基礎です。普通にしっかりわかっていなければそもそも受験してはいけませんよ。学校勉強しっかりして下さいね。判断は簡単。適性問題をどれか一つ解いてみて、「おもしろい!」と思うか思わないかですよ。
2 7月までは時間無制限で適性タイプ問題に取り組みましょう。解答は一例でなく、複数紹介されている過去問集、複数説明してくれる塾、家庭教師、を利用しましょう。作文タイプはまったく書けない生徒さん以外まだしなくてもいいかもね。ただしこの件は「男子、理系脳の子」及び「日常体験不足の子」は逆に1学期の内に自分のダメさかげんを知って、定型の対策を毎週して下さい。
3 模擬テストはそこそこ受けましょう。(7月までは1〜2回。秋は3〜5回ですかね。公開模試も是非どうぞ!)ただし、各社の分析はあまり当てにしないほうがいいです。順位は気にして下さい。けっこうライバルがいることを知りましょう。
4 夏休みは都立中問題からは離れてみましょう。他県の問題をするのも一考です。少し違うタイプの問題はいい刺激になります。千葉・埼玉・神奈川の一部の問題など、都立中より難しい問題があることを知るという得がたい体験ができますよ!
5 9月からは45分で「ここまでだった」メモを記し、残りがでても60分でいったん切りましょう。11月からは45分そのままの時間制限をして解く練習をしましょう。ただし、解き終わった後の直しは何時間かけてもしつこく完璧にして下さい。そうでないと達成感がわきません。次の問題対応へのアイディアがたまりません。くどいですが、直しが命です。
6 都立の「自分の体験を含めて」タイプの作文は、9月から始めても間に合いますが、良い先生に付き、20パターンは真剣に書き、先生の添削を受け、真剣に直していきましょう。
 最初にお伝えしたいこと。「都立一貫中10校」はまとまって行動しているのです。きれいに思想統一した上で、ほんの少しの自校独自問題というローカル問題を出しているのです。2014(平成26)年までは独自校問題が10あったのですが、2015年より共同問題を基本にして一つか二つ独自問題とする方針に変えました。
 一番の理由は問題作成が厳しい状況になってきたのではないかと当方推測しております。現に2016年以後の共同問題の質は悪くありません。よく練ってあるという表現にとどめますが、良い問題なのです。この反対が桜修館中平成23年問題のように何の特徴も感じられないぬるい問題。いずれこういう回がでてしまうから、方針変更したのでしょう。
 この先は、同じ都立の高校段階で、独自問題出題校が都立中と同じ発想で、一度問題を三グループにグループ化ました。しかし、この2018年2月問題からまた各校独自問題出題に戻ります。理由は日比谷・西・国立高校などの各校の独自性が薄まってしまったからだそうです。参考になりますね。
 では、都立中はどうでしょう。結局この「各校の独自性」と「問題の質」の綱引きは絶えることなく続く問題ですから・・・。それより、今に出す問題の新素材がなくなりそう!または現都立高校一般問題のような超マンネリ化の方向に行くかも。
 もう一つ。都立中の問題は常に全国の目にされされているのです。野球なら大昔の巨人、相撲なら白鳳、レスリングなら吉田沙保里・・・独自性にこだわり、13年。例えば、分数問題は、今後も出さないではなく、「だせない!」。東京都が大変更したら他の県は大混乱になってしまう。・・・しないか・・・
思考問題とか場合分け問題とかいう分類基準は利用しすぎて手垢にまみれてしまいました。そのわりに有効なヒントになっていない。常日頃からそう感じてきました。つまり役に立たない!そこで角度の違う分類をしてみます。
 都立三大名物問題 
@ 少数割り算問題
都立中適性問題名物その一。、必ず出ます。こんな当たり前なこと一つ、あまたある解説本で強調している本はあまりないのです。いわゆる斯界の七不思議です。本を出す人はひょっとして自分できちんと解いていないのでは・・・とすら感じています。それはそうと、本題。「パーセント計算を意識的に出す」。ふつう少数の割り算を3〜6題する。ひどいと16回する(小石川中さん、出し過ぎですよ!)。
 対策は、「少数割り算計算力」を鍛えるしかない!ただし、この少数割り算計算力という奴は将来につながるわけではありません。ひょっとして、有名なプリント学習会の勉強カリキュラムでは軽視しているからですか?どうも、今ひとつ、位置づけがわからないのです。証拠に他県ではさしてこだわってはいません。
 とはいえ、出るのですから、まちがえてはいけない。しつこいですが、なぜか、分数の計算は出ないのです。ここまで徹底すると小気味いいです。背景の教育観をどなたか納得いくよう説明してくださることを期待します。
A パン食い競争型問題
 正解が一つの私立中問題との決定的に違う点の二つ目。正解=パンはいくつもぶらさがっているのです。正解が3つだったり6つだったり、・・・といくつもある。これが都立中適性問題での主流です。このタイプを100セットも用意するのは本当に大変だったと思います。ですから、他県は手をつけない。他県はむしろ正解は一つ。そんなことかもしれません。そして、これがよくも悪くも都立中の独自路線。
 パン食い問題は生徒さんは一つ見つけたら後のことは気にせず前へ走る。教えて下さる先生方は全部の解答に目配りを!一つしか説明しない先生は模範解答をなぞっているだけ。教師としては研鑽の積みどころ!
B 公倍数・公約数問題
 都立適性検査問題では上記2タイプと合わせて算数の範囲の3大多数派問題の一つです。算数問題をややこしくする手法がこのアイディアです。答えも複数になりやすいのです。算数系の問題では最初から公倍数・公約数が関係するかを疑いましょう。
面倒問題
 難問なのではない。時間をかければ解ける。面倒な問題。名付けて「面問(めんもん)」。または「無理筋問題」。このタイプも適性問題には多い。特に小石川中などは毎年計算しなくてはいけない途中結果が多すぎて5〜8分では処理は無理!先に解ける問題を解いた後の最後にがんばりましょう。ですが、出題される方からすると、本当はこのタイプの問題を解いてもらいたいのではないでしょうか?後回しにされて、半数の人がまともに取り組まない問題なんぞ、作問者側としてはもったいなさすぎ。志願者は残して最後の一問として時間制限をとっぱらってやらせたらいい!マスコミニュース的にも話題になりますよ。
新知見問題
都立中問題には非常に多いです。これが刺激になります。がんばれ!例 渋滞の理由(H28(共同)。)
豆知識問題
大人でもおもしろい豆知識。豆ね!例 江戸のおけ一杯の水の値段。
おもしろいアイディア問題
 大人もおもしろがる問題。既知ではあるが、改めておもしろかった点が新知見とは区別してもいいかと。このタイプの問題が結構あります。そこが適性問題の、面目躍如!お薦めできる良いところ。 例 食塩水の割合をグラフに書く。時間が縦軸になる。いるかのジャンプを連想する問題など。
3つに分類問題
 この「3つに分類する」という分け方は案外新鮮なアイディアかもしれません。西洋の二元論問題を持ち出すまでもなく、物事を2つにわけるのがすべてではないことを少年・少女が知るきっかけになる。既存の私立入試問題にはないのですから適性問題のヒットかもしれないです。 都道府県の観光レクリエーション施設数を7つのレーダーチャートにし、3つに分類(富士H22)。せんちゅうなどの虫を3つに分類(武蔵H23)。
私立中入試型問題
 千代田区立九段中は性格の違う学校なので、私立中入試型問題が多いですね。これはしかたない。単独校では出題検討人員が足りないのでしょう。家庭科問題などそうでない部分でおもしろい問題をいつも紹介している中学です。全体としてはむしろ応援してますが。
 平成26年までは、都立10校は必死になって避けていました。それでもときどき気の緩みがでてしまいました。 まあ、言っては悪いですが、例えば、算数なら文集のページ数を確認する問題(桜修館H25)など、等差数列計算を利用しないと疲れるはめになってしまいます。ところが、平成27年から一部都立中で、算数特化の独自問題を出し始めますと、どんどん出し始める始末。題材なくなったか・・・そりゃそうです。私立入試の戦後だけでも70年の歴史の厚み。そうは簡単に違うタイプの問題は出せない!すると教育の機会均等精神に反してしまうのです。どうすればよいのでしょうねー。 ※下二桁が4の倍数(H27(共同))問題も普通の問題でもありますが、私立中試験対策で訓練済みです。過不足算、三鷹H28(独自)。
出しにくい問題
 社会なら歴史的事実を答えるだけでそれ以上への膨らませ方が足りない問題。社会の歴史は適性問題では無理なのかもしれません。可能なのは中世の戦の理由を分類する。H28共同問題のような類型化・比較化できるかもしれない歴史的事実を、理由とともに聞く問題。と言っても近代以降は複雑過ぎてこれも大筋無理でしょう。(文化史なら可能かも)。社会では独壇場なのは資料地理ですね。比較しまくれますものね。現にあきるほど出題されています。
企画力を試す問題。 実は必ずでます。解いてもあまりおもしろくはありません。
 要するに、当方にとっては問題形式が「明日につながらない」から「おもしろくない」のです。12歳の体験としてはこういう形式にするしかないのでしょう。
 出題する側からすると、生徒さんが今までのグループ活動等の成果を、企画力として身につけたかどうかをチェックしたいのです。小学校授業の重要要素、「集団活動で何を考えられるようになったか」を確かめたいのですね。その中の、他人への思いやりとか集団の和を重視する気持ちとは別の、「集団活動をよりよい活動にする」企画力を確かめるための問題です。
@ 遠足・ハイキング・旅行・運動会等の学校行事、要するにイベントの計画問題
  全国の一貫校で当初からもう出過ぎました。とはいっても、エリート養成校の義務として出さなければいけない問題なのです。達成するために処理しなければいけない要素が2つどころか、3つ、4つとあるのをまとめあげる問題ですから、これは大変。最初に企画は必要です。まずどう分類するかを決めましょう。その後は試行錯誤・トライアンドエラー精神で行きましょう。こんなことは当方が言うことすらよけいでしたね。
A パズル・ゲーム・クイズ問題
 パズルだと答えにたどり着く感が一番出ますかね。ゲームというと勝ち負けにこだわる感が強い。クイズというと知識の領域の質問も入ります。全部あわせて、適性検査の一分野と分類してみます。特にさいころをころがす問題など、初期からずーっと出ていましたので。正直、またか!という既視感が強く、個人的にはがっかりしますがもう対処法はあちこちで出ているでしょうから、最低限知っておいて下さいね。これも個人としての問題解決企画力が影響しますので、最初の方針をすぐ決めましょう。後は試行錯誤・トライアンドエラー精神で!
試行錯誤・トライアンドエラー問題
 適性試検ではこの気持ちで解かないとだめな問題がとても多いです。分類がごたごたしてしまいますが、先ほどの企画力をためす問題は生徒さんの側からするとこの標語で克服するしか方策がない。それにこんなことをわざわざ書かなくても生徒さんは本能でそうしています。
 時間が45分しかないのですから、読みながら浮かんだ最初のアイディア(ザクッと分割できる分け方)を信じて、とにかく始める!試しに1つ選ぶ!が対処法ですね。 例 運動会で逆転できるかを問う。H24武蔵
立体図形問題
 たて、横、高さに分解すれば糸口がみつかるのですが、分類に時間がかかります。ほとんどの生徒さん、苦手です。よく幼少期の能力トレーニング本のテーマになっています。実際、そういう遊具を使って遊んでいれば多少は違うのでしょう。時間との勝負になってしまうのです。12歳の能力として、単純作業ではないこの種の思考問題をすばやく処理する能力は必要なのでしょうか?すばやく処理すると場合分けのもれが出がちです。45分ではたいてい無理なのです。じっくり挑戦したい生徒さんのタイプにはかわいそう。  この問題タイプを解く能力はどうも生まれつきの差(地頭というやつですね)がある気がします。生まれつきの差を利用したいから出しているのか?
当方はもう断言します!そうなのです!今の公立一貫中はそれを「適性」としているのです。
中学・高校の知識をさりげなく紹介して利用する問題
 ルート2やルート3を近似値で紹介し、長さを測る。コタンジェントの近似値で太陽高度と影の関係を計算する。どれも近似値で十分な問題なのです。理科では、プラスマイナスのイオンの説明で植物の栄養分の吸収を理解させる。など、この手法で問題の幅が広がりますし、読んで興味もわきますね。議論はあると思うのですが、当方はこれで良いと思っております。  
    
 都立中試験は、試験時間をせめて60分、できたら90分に延ばせませんか?早くおわった子は大学方式でさっさと退出させればいいのです。時間が足りないからテクニックを大人が教えるのです。塾が流行るのです。最後まで考えきれるなら計算スピードは普通でいいじゃないですか!とにかく解法のテクニックは不要にしていただきたい!
 少子化時代に突入しました。日本の若い人材をその中で鍛えるのでしたら、猫もしゃくしも「利発なばかり」の子を鍛えようとしている気がするのです。当方は、「愚直」な若者を伸ばして欲しいとつくづく思っています。努力という語をほこりを払って復活させませんか?
 現実に多くの保護者の方、生徒さんが「公立中高一貫校」にあこがれを抱いています。ところが「スピードを競う」この適性テストしか用意されていませんので、最初からどうにも無理筋の方が多すぎるのです。文章が理解できない、解き方がわからないという生徒さんは、小学校課程の基本勉強・基本練習が足りないのですから、不合格でもやむをえないと思います。しかし、時間が足りなかったというのだけはどうにもやるせない。
 私たちの祖先は、辛抱して、努力して、江戸、明治、大正、昭和と厳しい時代を耐えてきたのです。誰ががんばったかは自明です。「愚直」な平均の人たちです。この層を鍛えることをもっと標榜しませんか。
 すばやいことばかりを選別の材料にせず、粘る子ですよ!(ここは御異論だらけでしょう。粘るだけでは先は見通せないから日本は戦争に突っ込んでいったんだ。方向性をまちがえたら意味がない。おっしゃるとおりです。エリートに課す義務はここですものね。明日がわかる、それへの対処法を見つける。実行する。もちろん、それには独創性、課題を見つける能力、組織化する能力、ようするにリーダーたる能力です。必要です。同意。)とはいえ、「スピードばかりではないでしょ、リーダーの素質は!」という意味でご理解下さい。
 昔から言います。「頭のいい子はすぐ飽きる。愚直な子がその道を究める」のです。少なくともそういう子を一定割合入試でとりませんか?一定割合でいいのです。道を作って欲しい!
 方法は簡単です、テスト時間を延ばせばいいだけです。各学校10人か20人でいい、スピードがなくても粘れる子にも道を開いて欲しい!
2017/7/23(日) 初稿 脱稿  8月5日(土)二訂  2018/11/11(日) 三訂
 なお、表現、説明の裏取りにまだ不備がありますので、間違い等には寛大なお気持ちで接して下さい。順次直して参ります。他の機関、個人を誹謗中傷する気持ちは一切ありません。