平成17年に白鴎中が最初に都立一貫校になり、平成18年に両国中、小石川中、桜修館中、千代田区立九段中が一貫化。
 それから13年、どうやら名実ともに小石川中は都立トップ校化しました。小石川中の「適性問題」自体もそれだけのことはあるのです。
 有名なスーパーおじいさん問題を楽しみましょう。ただしそのためには、「高速少数割り算約16問ゲーム(平成30年は15題)」の達人にならないと楽しむ資格すらありません。
 内容も、2018年の理科の「泡」の問題など本当に刺激的でした。その次の算数山折り谷折り問題は適性試験の性格を具現する究極のきつい問題!
 初稿 2017/7/21 二稿2018/9/22
    
 都立小石川中 入試問題 勝手に目次
1 小石川中A 2006(H18)
   米・独・マレーシアとの貿易や観光の収支を計算/日本の景観・文化の良さを具体的にアピール
1 小石川中B 2006(H18)
    植物のフラクタル図形って何?/クイズの名問登場!縦積み4つの箱を18回でイの位置に!
2 小石川中A 2007(H19)
   ペンギンとコウモリだけにあてはまる共通点/乾電池のパワーを計る/変則魔方陣を解く 
2 小石川中B 2007(H19)
   バブル崩壊前後の日本の国際援助の金額、援助先、方法/小石川名物、割り算15題が出た!
3 小石川中A 2008(H20)
   始めから最後まで日本の研究者の決して明るくない現状を紹介。最終問題は受験生の決意表明!
3 小石川中B 2008(H20)
   琵琶湖の水の全循環/部屋の壁を塗るペンキ缶の量と数/パイナップルがゼリーを溶かす?
4 小石川中A 2009(H21)
   日本の高校生の外国(韓国・アメリカ・中国・シンガポール)への行き先別修学旅行者数。
4 小石川中B 2009(H21)
   光合成で吸収できる二酸化炭素の量の問題
5 小石川中A 2010(H22)
    スパゲティ4人前を東京とニューヨーク、ロンドン、パリで作るといくらになる?
5 小石川中B 2010(H22)
   ニンジンを冷蔵庫で放っておくと・・・/公倍数問題
6 小石川中A 2011(H23)
   小数の計算問題が全部で17題もあります!
6 小石川中B 2011(H23)
   乳酸菌が倍倍倍・・・で増える!ヨーグルトがあふれかえるか?
7 小石川中A 2012(H24)
   なぜか102パーセントに・・・/パイプラインは輸送機関に分類されるのだ!
7 小石川中B 2012(H24)
   上手な雨量計の作り方/92回の操作とはやり過ぎでは?/ルービックキューブより楽だよ!
8 小石川中A 2013(H25)
   工業製品出荷額の多い都府県15をリストアップ。/世界各地にある日本の企業数は?
8 小石川中B 2013(H25)
   サケはどうやって生まれた川に戻るか?/正多角形とオイラーの定理
9 小石川中A 2014(H26)
   日本を訪れた外国人に関する資料を読み、小数割り算の計算を16回させられます。
9 小石川中B 2014(H26)
   鉛筆は消しゴムですぐ消せる。赤鉛筆は消しにくい。レシートの印字は・・・
10 小石川中A 2015(H27)
   休日に何もしないのは日本の若者だけ?日本人の余暇の過ごし方
10 小石川中B 2015(H27)
   ボールをもっと弾ませろ!あてまくれ!/はやぶさ軟着陸の工夫。/カレンダーの不思議
11 小石川中A 2016(H28)
   この15年で国内百貨店数は47.89%に、一般店舗数は50.83%に減少!
11 小石川中B 2016(H28)
   カーリングの石の底の工夫。/ブラシでこする理由/人はなぜすべる?
12 小石川中A 2017(H29)
   世界陸地プールに真水は深さ何mたまるか?/えっ!日本の一人あたり水資源量はそんなに・・・
12 小石川中B 2017(H29)
   冬、金属のベンチはなぜ冷たく、夏なぜ熱い?/球を390段積み上げて校舎より高くすると・・・
13 小石川中A 2018(H30)
   日常の食べ物はどこから?/フードマイレージに対する二つの立場。/食料の今後は自給?輸入?
13 小石川中B 2018(H30)
   石けんの泡ってそもそも何なんだ?/長方形を横に何回も折って開いた山折り谷折りの法則は?
 米・独・マレーシアとの貿易や観光の収支を計算/日本の景観・文化の良さを具体的にアピール
2017・11・9(木)
 適性検査2   3問あります。小石川中の適性検査デビュー年です。
 1   2003年の「主な国の貿易額」と「国際観光収入と国際観光支出」の資料を参考にする。 
 問1 
 (1) 資料1から輸出額と輸入額の違いに注目し、アメリカ合衆国、ドイツ、マレーシアの中から一つ選び、その国と日本を比較して、その特徴を書く。
   アメリカ合衆国のみが輸出額より輸入額が多い。他の3国とは逆で輸入超過国。
   (2) 資料2から国際観光収入と国際観光支出のちがいに注目し、(1)と同様に、3か国の中から一つ選び、その国と日本を比較して、その特徴を書く。
   アメリカ合衆国とマレーシアは観光収入の方が多い国。ドイツと日本は観光支出の方が多い国。
   (3) (1)と(2)をまとめてさらにその特徴を書く。
 問2 3カ国から一つ選び、人口一人当たりの国際観光収入と観光支出を日本と比較する。約何倍、約何分の一という言い方で説明する。小石川中は計算が一筋縄ではいかない!ここでも資料2の観光収入・観光支出の単位は「10億円」、資料3の人口の単位は「万人」。したがって計算時に0のつけまちがえなどしようものなら、目も当てられません。小石川中に入りたかったら「鍛えろ計算力!」ですね。ただし、今回は倍率だけでいいので上述の直しは一切いりません。
 問3 「都市の景観が美しい」「文化と歴史がすばらしい」の2つについて、より多くの外国人旅行者に日本の良さをもっと知ってもらうためにはどうすればいいか。100字以上120字以内で具体的に提案する。
   おそらくこの2つの分野の美しさは訪れる季節にも大きく影響されると思います。もう一つ、外国人が喜ぶのは外国人の視点からなのだと我々は最近気づきはじめました。例えば2017年現在で外国人がこれほど「忍者好き」とは!
   逆に我々自身もヨーロッパに行くとお城や教会ばかりを案内されるのに辟易(へきえき)していませんか?美術館と言ったって、「あー教科書で見た」ということを確認しているだけではないのでしょうか・・・証拠に絵の前を30秒もすると皆離れていく。景色と言ったって、後でろくに見もしない写真とったらまたぞろぞろ・・・。おもしろいのは「雑踏の中」、「市場やスーパーマーケットの散策」、「人の様子」・・・きっと外国人も同じですよね。
   当方の答え(単なるおじさんの偏見)、「日本を一度は訪れた外国人に、帰国後にくつろいだ場で本音を聞いてみる。そして、意外な返事であればあるほど積極的に採用する。」が正解でしょ?
 植物のフラクタル図形って何?/クイズの名問登場!縦積み4つの箱を18回でイの位置に!
2017・11・10(金)
 適性検査2   4問あります。
 1  
 問1 植物のつくりやはたらきについて「不思議だなー」「おもしろいなあ」と考えた経験を示し、具体的に説明する。
   何だか、適性問題1の理科版ですね。とっさに困りますねー。ですが、一つ書けばいいのですから、タンポポの綿毛の構造、熱帯のランの不思議な形、秋の紅葉と落葉、実の形、構造、味、広まり方、そもそもデンプンを作る光合成という仕組み、なぜか基本、葉は緑。花は生物をひきつける・・・あるぞあるぞ!だいじょうぶ!解答欄は当方としては100字から120字ぐらい書けそうと判断しました。どこまで書くか、まあ、6行目までは埋めましょう。
   どうでもいいことですが、当方、子供のときから「自然薯のむかご」が不思議で不思議で、どうして地面の下にあるはずの小いもがつるにつくのか、食べられるのに案外みな食べない・・・きっとよほどおなかをすかしていたのでしょうね。ごめんなさい、どうでもいい話でした。
 問2 正方形で正三角形での例のような連続する図形を書く。書く習慣がある生徒さんが得。こういう図形をフラクタル図形(ある一部分が全体の部分になっている図形)というそうです。ここで初めて知りました。豆知識が増えました。声の教育社版の答えでは、このタイプの真ん中が開いたデザインをさらに「シェルピンスキーのカーペット」というそうです。
   小石川は試行問題でも植物の規則性を取り上げましたから、的中した生徒さんもいたかもしれませんね。
 2   クイズ問題。クイズというもの自体の本質で、「はまると楽しくなる、解けると快感!ただし、興味がでないとくそつまらない!解いても後の人生には何の役にもたたない」。そういうものです。否定的に述べました。次はそれでもつきあわなくては合格しませんので、当方のつき合い方を2つ述べます。
   その1 クイズ問題はこれから都立中入試問題の中で何十題とでます。つき合い方は「おもしろそうな問題」と10〜20題つきあう。後はもう本番までしない!ではないでしょうか。
   もう一つ、質問文と図表にはすべて意味がある。使わない条件はない!というより、「必ず使う!」のです。    では、
 問1 問2を解くためのヒントでもあるのです。@を先にエに移動させておいて、残ったABを先に目的のウに移動させる方法を考えるのですね。こういうゲームをやったことがある人が少し有利かも。
 問2 決定的な第1ヒントはふゆみさんが作成した表です。なぜ 問1ですら使用しない「わくが3か所」の表があるか、もちろん、上記の「必ず使う」からです。わかってからの後付け説明ですが、要するに4個の箱のうち1つ(@番の箱)は最初に端(はじ)に移動させておいて、残ったABCの3つの箱をまず目的地に移動させよう!というヒント、メッセージなのです。だから「3箱」!最初に@は端に移動させておくというアイディアは問1でさりげなく紹介しているのです。表の中の数字の根拠が気になる生徒さんもおられるでしょうが、それを気にしだす時間はもちろんないのです。この表はスピードアップのために用意されていると信じて、使いましょう!
   この問題、これから後の都立中のパターンを決定した、「初期ターニングポイント問題」だったですね。
 それにしてもこの時点でもう小石川中、ぎりぎり合格をめざす普通の生徒さんには勧めにくい!
   
 バブル崩壊前後の日本の国際援助の金額、援助先、方法/小石川名物、割り算15題が出た!
2017・11・10(金)
 適性検査2   3問あります。
 1   アメリカ、フランス、スウェーデン、オーストラリアの4カ国と日本を比較した国際援助の問題。記憶では、統計比較の年次が、バブル期(1986・12〜1991・2)にすらひっかかるせいか、適性問題の初期に良く出ていました。
   最近は国際援助での日本の金額は後退したはずですのでそれに準じて出題も見かけなくなりました。世界全体からアジアに、紐付き援助・貸与から供与にという流れを説明したいのですね。日本も多額の借金をかかえ、援助している場合ではなくなっています。問題の立ち位置が難しいところに差しかかって来ましたね。
 問1 上述の国と日本を比較して援助額の特徴を書く。やはり国民一人当たりの統計を調べると日本はたいしたことがない。スウェーデンという国のすごさが目立ちすぎ。総額でも2004年時点では日本と並んでいますよ!この国を突き動かす熱情の出所に興味がでます。
 問2 
 (1) 資料3 「2004年における日本の地域別二国間援助額」からその割合を計算する。7回も少数割り算をさせます。小石川名物が始まりました。
 (2) 完成させた資料4(地域別割合を表す帯グラフ)を見て、1970年からの10年刻みの変化の特徴を書く。
 問3 
 (1) 資料5の 「日本の援助形態のうつりかわり」の表を見る。技術援助、無償資金協力、有償資金協力の割合をまず計算する。3つから2つ選び、変化の特徴を書く。結局割合を8つ計算します。前問とあわせて15題の少数割り算です。当方は「小石川名物16題問題」とかってに称していますが、15題のときもあります。15題か16題かはポイントではありません。とにかくでました!以後今(平成29年・2017年)に至るまでずーっと出してきたのです。 
 (2) これからの日本の援助の形態についてあなたの考えを100字以上、140字以内で書きなさい。
   答えは知れています。無償援助や技術援助を増やすべきです。
   ですが、それ以前に、当方はこういう問題を個人的には好みません。12歳にする質問ではない。大人の事情もある援助に理想論で答えを書かすような誘導はやめるべきです。出題者は公務員。民間の事情がわかっていません。けっこうつらい思いをして稼いでいるおとうさん・おかあさんの税金を援助の話に結びつけない方がいい。人道問題では日本は誠実に立ち向かっているはず。数字ではなく、うそをつかない・約束した援助は守るなどの行間にしかない姿勢が大切だと小学生にはわかってほしい!額じゃないよ!おっとっと、どうして熱くなるかの理由が自分でもわかりません。自己制御不能ごめんなさい。
 ペンギンとコウモリだけにあてはまる共通点/乾電池のパワーを計る/変則魔方陣を解く  
2017・11・10(金)
 適性検査2   7問あります。
 1   クイズ問題。ニュアンスはありますが、要するに動物園で動物を観察し、時間までにゴールする問題です。
 問1
  (1) ナイルワニ・アミメニシキヘビグループ、インドゾウ・アミメキリングループ、コウテイペンギン・ジャワオオコウモリグループのそれぞれの動物に「だけ」あてはまる共通点を答える。3番目を選ぶとちょっと迷うかも知れませんね。鳥なのに泳ぎが得意。ほ乳類なのに飛ぶのが得意では共通点とはいいきれませんものね。機能的に他の類の特徴を持つですか・・・こうやって迷う意味がありませんね。出来るグループで答えをかけばいいだけの話。
  (2) どのグループを選んでも、結果は平らな道を選択することになる。解答もほとんど同じ。何の問題だったのでしょう?
 問2 午後の過ごし方を決める問題。つまり前2問とはまったく無関係。「残りのすべての動物を見たい」という意見を言う友達、「何種類か選んでじっくり見たい」という友達がいるグループがある。あなたなら、どういう意見を出そうと思うか。
   これは、グループをまとめる意見を書かなくてはいけないのでしょうねー・・・第3の意見という手もあるでしょうが、まあ、折衷案かなー・・・おそらく行きに通らなかった動物を重点的に見ながら出入り口に戻るでしょうねー・・・
 2   いろいろな乾電池がどのぐらい持つかを調べる簡単な方法を考える問題。
 問1 測定は1回ではなく何回かずつ測定するように助言された理由を書く。いつもの観察とか実験につきものの誤差、個別観測対象による性能のぶれを少なくするためですね。これから現在まで形を変えて何度も出されます。
 問2 乾電池での実験結果が、単1電池、単2電池、単3電池と記録されています。その一覧表をもとにして単4電池の持ち時間が何分くらいか予想する。重さで比べるか、体積で比べるかの2種類が考えられます。どちらでも何分の桁指示がないので、整数とすると結果は余り変わりません。
 問3 紹介されている方法以外の方法で乾電池がどのくらい持つか測定する方法を一つ答える。当方うまい方法が考えられず、降参しました。模範解答を見ましたら「くぎと電磁石」」ですか・・・うまい!
   
 3   魔方陣を紹介し、
 問1 紹介された魔方陣の一見数字違うタイプの穴を埋める問題。できあがると図2の回転した版になってしまいます、だめだとは書いてないのでこれですね。
 問2 三角形が7個で構成された魔方陣の一種を解く。案外難しい。この種の図は問題なしに説明するのが難しいのでどうぞ入手されてお読み下さい。で、真ん中の三角形を決めないと回りにある3つの三角形の数字も決めにくい。真ん中ですから極端な数は使いづらい。それで、まず1から9までの数字のうち、真ん中の4と5と6を採用。それぞれの数字が属する二つ目の三角形に残った数字は真ん中採用数字との兼ね合いで真ん中が4なら二つの合計を1多めに、真ん中が6なら合計は1少なめにという作業までしか思い当たりませんでしたが、数回の試行錯誤でできました。ただし、その経過を (2) でどのように考えて数を入れたのか説明しなさい。とあるので困ります。とりあえず書いて時間があれば再追求ですが、おそらく見直す時間はもうない。しかたない。
始めから最後まで日本の研究者の現状を紹介。最後はあなたの決意表明!
2017・11・3(金)
 適性検査2   6問あります。
 1   理学、工学、農学、保健。さらには自然科学、人文科学、社会科学などの研究者に関する問題。まっすぐすぎてびっくり!
 問1 (1) 資料1から1992年の日本の研究者数を100としたときの1994年、2000年、2006年の研修者数の指数を計算する。    (2) 6年ごとにどのように変化したか。また、全体としての特徴を指数を使って書く。計算してみると2006年は1982年に対し指数201。すごい増え方ですね。
 問2 資料2から日本の自然科学の研究者の分野別割合は、工学が61.9%、資料3から日本の自然科学の研究者の分野別人数は他を引き離して工学分野。所属は企業や会社。または、保健分野は他を引き離して、大学などの研究機関。政府系研究機関では理学・工学・農学・保健がまんべんなく分布。なるほど、おもしろい。
 問3 イギリス、ドイツ、アメリカの3カ国から一つ選び、比較して日本の特徴を書く。ドイツでは政府研究機関所属の研究者が日本の3倍以上。アメリカでは大学所属研究者が少なく、企業や会社所属が80.5%ととても多い。日本は大学所属研究者がアメリカは別としても、イギリス、ドイツよりは若干だが多い。
   逆に考えると日本の研究者は大学しか居場所がないのです!
   当方ごときが言うことではないのですが、本題からずれます。オーバードクター、ポスドク、期間限定研究職。民間会社はドクターコース生をやとわない・・・先日のテレビ番組(2017・10月・NHKの72時間「私設図書館」)などでは、どうみても優秀そうな男性の現在の仕事は新聞配達でしたよ。新聞配達職をどうこういう気持ちはもうとうありません。ですが、「人生でかけてきた時間」と「役にたっているかどうか」を秤(はかり)にかけると、あまりにもったいない!何とかならないのでしょうか?これでは都立中に進学したいと志願する小学6年生が「まだ始まったばかりの人生」に失望しかねない!
 問4 資料5、資料6で、イギリス、ドイツ、フランス、日本、アメリカの自然科学の論文数とその論文が引用された回数の表と、1981年、2005年の横軸論文数、たて軸引用回数割合での伸びまたは減少を示すグラフが紹介されています。2005年時点では日本はまだ緩やかですが伸びています。イギリスが減少。ドイツが急速に伸びています。
   またそれます。2017年現在わかる情報では、日本の論文数はカナダ、イタリア、オーストラリア、スペインより下。2002〜2004年までは世界でアメリカ、イギリス、ドイツに次ぐ4位を維持していましたが、2017年に出た「科学技術白書平成29年版」では世界10位と初めての2けた台。かねて日本人ノーベル賞受賞者たちも異口同音に警告していた通りになってきました。
 問5 これからの日本では、どのような研究者が求められていますか。資料1、3、4、6の中から2つを選び、それらの資料を使ってあなたの考えを書く。
 問6 自然科学だけでなく、人文科学、社会科学、などさまざまな研究のうち、どのような研究に興味があるか。将来どのようなことを学んでみたいと思うか。あなたの考えを書く。
   試験問題の時評からそれるついでに書きます。小学6年生には是非学問への夢を持っていただきたい。スポーツだけでなく、科学者になりたいとぼやっと思う少年少女は結構多い。または多かった。何も間違っていませんよ。うまくいくかいかないかなど気にせず、頑張って欲しい。結果は報われないのかもしれない。それは時代のせいではないのです。または時代のせいなど気にするな。どの道も「運・鈍・根(うんどんこん)」!芽が出ようが出まいが頑張って欲しい!
   小石川中の問題はいつも無茶な計算量。ですが、たかが計算だ。練習で乗り越えられる!きっとそれ一つとっても皆さんにただならぬ要求をするだけの系統だてたしっかりした授業をするのでしょう!目指して悔いはないはずだ!
 琵琶湖の水の全循環/部屋の壁をペンキで塗る量と数/パイナップルがゼリーを溶かす
2017・11・3(金)
 適性検査2   10問あります。
 1   琵琶湖の水の全循環の問題から、なぜ水は表面から凍るかという質問。
 問1 この件は最近話題になりましたね。日本の太平洋近海での全循環の話題も最近は出ていますね。あなたのふだんの生活の中でのあたたかい水や空気は上へのぼり、冷たい水や空気は下へおりる性質によって起きる現象をひとつあげる。
 問2 あたたかい水の方が冷たい水よりも軽いからではないかという考えを確かめる実験を1つ考えて詳しく書く。
 問3 あたたかい水は上へのぼり、冷たい水は下へおりる性質によって琵琶湖の水がどのようにして「全循環」するかを季節と関連づけて説明する。
 問4 水の中で魚のエサになっているプランクトンが死ぬと死がいは下に沈む。水中のバクテリアがその死がいを分解する。そのときバクテリアは酸素を使う。では、琵琶湖の水が全循環することが生き物にとってどのような意味があるかを考えて書く。
 問5 水は冷たいほど重いなら、プールの水は底のほうから凍るはず。ところが水は表面から凍る。その理由を「温度による水1立方pの重さのちがい」のグラフ(4℃のとき水は一番重いことを明示)を参考にして説明する。おもしろい!いい問題じゃないですか!
 2   パズル問題 算数 結局、算数の公倍数と公約数と芋づる算の問題。
 問2 壁にペンキを塗る際のペンキローラーの回転数を調べる。算数の計算問題なのですが、Aサイズ、Bサイズ、Cサイズと幅が次第に狭くなるにもかかわらず回転数がほぼ同じな結果になる問題。不思議でしたが、見直しの際に気づきました。幅が広いが直径が短いローラーと中ぐらいのローラー、幅は狭いが直径は長いローラーのせいでした。なーんだ、わざと仕掛けがされていたのでした。計算中、あれ?不思議だなーと思いながらの時間を過ごしました。わかってよかった。なお、計算は、少数第一位を「切り上げ」て整数で答えるのです。めずらしい!回転数でねー・・・必然性あるのか・・・たまたま3つのどの解答も切り上げでも四捨五入でもいい結果ですから、どのどちらかというとここで「切り上げをだしたかった」からかもしれませんね。
 問3 (1) 二階の二部屋の子供部屋に新しくペンキを塗る。その際のペンキの量を計算する。(2)Mサイズのペンキ缶とLサイズのペンキ缶をうまく使い分けて無駄がでないようにできるだけ安い金額で買い物をする。驚いたことに解が二つでます。金額が同じになるからです。秘密はMサイズに対しLサイズの値段がちょうど倍だからですね。
   
 3   ゼラチンで作ったゼリーの上にサイコロ状に切った新鮮な生のパイナップルを置くと、1時間30分後には下のゼリーがとけて形がくずれてしまうという実験。
 問1 この実験の結果だけではパイナップルの成分がタンパク質であるゼラチンを分解するとはいえない。ゼリーが崩れた理由としてほかにどのような説明が考えられるか。またその考えが「正しくない」ことを確かめるための実験を詳しく書く。
 問2 冷蔵庫に入っていた缶詰のパイナップルで同じ実験をしてもゼリーは崩れない。ではその原因としてどのような可能性が考えられるか。また、その可能性を確かめるための実験を詳しく書く。
   大問1と大問3はどちらも徹底して実験の仕方を詳しく説明する問題。大問2はそれなりにしっかりした算数問題。小石川中はこの年も気合いが入った問題でしたねー。
 
 日本の高校生の外国(韓国・アメリカ・中国・シンガポール)への行き先別修学旅行者数。  
2016・11・30(水) 
 適性検査2   11題あります。
 1   1985年から1995年、2005年までの日本とオーストラリアの入出国者数の比較問題。同じく、オーストラリア、イギリス、ドイツ、カナダからの入国の目的別割合。
 問1  社・算 1985年から1995年、2005年までの日本とオーストラリアの入出国者数の比較問題。定番の小数割り算問題がここででます。導入問題
 問2  社 オーストラリア、イギリス、ドイツ、カナダからの入国の目的別割合。大人としての感想は、やはり貿易・取り引きはドイツだなー!!!
 問3  社・算 韓国・アメリカ・中国・シンガポールの4カ国で、1966、2000,2004年の日本の高校生の外国への行き先別修学旅行者数の推移を計算し、グラフを書く。
 問4  社・総合 日本とオーストラリアの交流についての資料を選び、資料を使ってのあなたの考えを120字〜140字で書く。
 問5  社・総合 海外に行って言葉以外にどのようなことを学び、将来に生かしたいと思うか。あなたの考えを120字〜140字で書く。こういう問題、初めて考え始めていたら無理。やはり準備しておく方がいいのでしょう。そして、すでにあちこちで出ていますので、対策済みかと思います。  がしかし、当方としては、何か、この種の質問に潜在する時代の雰囲気になじめない気持ちがあり、完全に偏見ですが、「こんなこと12歳に聞いてもしかたがない」と常日頃から感じております。聞くより行かせましょう。
 光合成で吸収できる二酸化炭素の量の問題 2016/11/30(水)
2016・11・30(水)
 適性検査2  
 1   一押し問題  植物の光合成を説明する問題。 とても良い問題です。
 問3  理  アサガオの葉が15枚、毎日午前4:30から午後6:50まで日光が当たる。葉、100cuあたり1時間に二酸化炭素を吸収する量が0.015g、日光が当たっていないときの葉、100cuあたり1時間に二酸化炭素放出量は0.002gと仮に決めると・・・・良い計算問題です。
    結果は一日あたり0.7gの二酸化炭素が吸収されるそうです。すると・・ インターネットのコオリコムサイトによりますとドライアイスなら1kgで(25cm×12cm×2cm=)600?だそうなので、0.42?できることになるのかな・・・葉っぱ15枚一日で、目に見えるドライアイスなら1?の半かけらかー・・・けっこうすごい!あくまでも推論に推論を重ねての仮結論ですが、小学生の理解でここまでわかればこれはもう、将来の科学者まちがいなしですね。
 2    算    正方形の対角線関係を利用して角度を調べる問題。  良い問題です。
 問1  算 うまくできた問題です。図1をながめているうちに、正方形2個の対角線タイプと正方形3個の対角線タイプだとひらめけば後はどんどん進みます。このひらめきがわき上がるまでは「えーと、・・・えーと・・・」の待機状態が続きます。ですが、この問題はいわゆる喉まで出かかっているタイプです。きっと解けます!
 問2・3 算 問1に続きます。三角形マメムが正三角形、三角形マミムがその半分、三角形マメムの中に少し小さな正三角形がもう一つみつかるとか・・・見ているうちにどんどんヒントが広がります。
   
 3   理    大気圧と密閉された容器内の液体・気体の温度による膨張を調べる問題。  良い問題です。
 問1  理 密閉された容器内の液体・気体の温度による膨張の関係をグラフにすると・・・迷うのはアかウかだと思います。時間がたてば温度が変化して一度上がった縦軸の数字は少し下がるのではないか・・・良くある話だからです。ですが、この実験は手でずーっと持っているので、ガラスの周りの温度は変わらないと判断し、ウとなるのでしょう。あと一つ気になるのは、初めガラスが先に膨張するのでむしろ色水の高さが下がるという見解がありそうなこと。当方実験していませんのでわかりませんが、もともとそういうタイプの選択枝がないので単なる杞憂(きゆう)ですね。
 問2  理 なるほど模範解答によると、今すぐに正確な実験ができないのは、バケツにくむ水の温度がもともとの色水の温度より低くなりがちだということだそうです。当方、ややこしいことを考えすぎて正解できませんでした。
 問3  理・算 算数です。ただし大気圧は上に行くほど下がることをまず知っていないとできません。その後はまたおきまりの小数割り算問題。
 問4  理 階段を上らなくても同じ結果になるかもしれないことを考慮するため、もとの階にも同じ実験装置を置いて同時に別な人に観察してもらうことですね。「対照実験」と呼ばれます。理科実験の基本でしたね。
 問5  理
  (1) 2009−350=1659年ですか。パスカルの実験。小学生なら1765年ワット蒸気機関改良ぐらいを知っているかもしれません。そういう知識は要求されていませんので、はたしてこの時代に高さ15mのガラス管を作る産業力があったのだろうか、ちょっと疑問です。そして、書いてあるから信じるしかとりあえずなくなります。もう一つ、我が同僚が強調しているのですが、そのガラス管をまっすぐに立てたりななめにかたむけたりする方が難しかったはず。という視点です。とくに斜めは厳しいでしょう。想像するだにはらはらどきどきしてしまいます。ここまでで解答はいいのですが、実際のところどうやって実験したか、知りたくなりますね。
  (2) 「書いてあることをそのまま信じない」ということですね。ですが、それだけでなく、日常的には「複数サイトのチェック」ということでしょうね。もっと言うと「ヤフー知恵袋」でOKなときもあれば、「とんでもなく浅すぎる解答だ」と思うときもあるのですし、・・・・今もってインターネットリテラシー(読み方、理解の仕方)というやつは私もわからないです。
   
 スパゲティ4人前を東京とニューヨーク、ロンドン、パリで作ったらいくらになる?
2017・7・19(水)
 適性検査2   4題あります。小石川中名物、小数のあまりある割り算の計算問題、計11問あります(さらに確認のため東京も検算すると最大17問になります)。
 1   社・算 
 問1  社 1997年からと2006年までの 東京とニューヨーク、ロンドン、パリの食料品価格を東京を100としたときの指数で比較する問題。この問題は外国の3都市のどれかとの比較ではなく、めずらしく東京とニューヨーク、ロンドン、パリがどのように変化しているかを指数を使ってその特徴を書くのです。3都市全部との比較ですから、おおざっぱにとらえていいわけです。ロンドンだけは東京より最後まで指数が低いので別格にすることもできます。その場合は2分割で書くことになりますね。もしグラフの右下がり、右上がりに注目するなら、どちらも下がって上がっていることを強調すればいいですね。
 問2  社 良い問題です。けれど、なすべきことを理解するまでに時間がかかり、計算の仕方があっているかを確認するのにまた時間がかかります。面問(無理筋)問題です。スパゲッティ、トマト、タマネギの300gあたりの東京での値段をまず知り、ニューヨーク、ロンドン、パリでの値段を資料2の表から確認。次に電気、都市ガス、水道の4市の公共料金を指数で一覧。最後にスパゲッティ380g、トマト290g、タマネギ230gで料理を作ると公共料金の計算も紹介した上で、合計いくらになるかを計算する問題。初めの一読ではスタートできません。そもそもこの量は何人前なのだろう、きっと4人前かな・・・おもわず家人に聞いてしまいました。
  まず下に示されている東京の例を理解し、計算を確認してから、そうか、わかった!となる手順です。当方ここまで、東京のグラフの64円、48円、179円、187円となるかどうかの計算チェックをして、あっていたので、スタートしました。ところが、結果声の教育社解答と誤差が出ました。公共料金の計算で、電気・都市ガスの四捨五入の仕方で2都市で1円ずつ模範解答とどうしても狂うのです(当方解答、ニューヨークの電気は35円、都市ガス、パリでは12円となる)。これは試験問題に印刷されている東京だけのチェックではどちらも正解なので最後までわからないはずです。普通、四捨五入(丸める)は最終解答時ですので、当方としてはこちらの方が正解と思ったり思わなかったり・・・。
 問3・4  社・道徳 やや無理な出題。特に4は「町づくりのためにあなたが将来どのようなことをしたらよいか、あなた自身の体験や身近なことに結びつけて、あなたの考えを書きなさい。」という質問など、どれだけ、エリートを選抜したがっているのでしょうか?町作りのための自身の体験って、何なのでしょう?たかが12才ですよ!アメリカ型の社会参加奨励国家だとしても、「町作りのため」は限度を越してませんか?受験生の皆さん、こういう問題は自分で適当に書いておこう!出題した方も皆さんの解答に形式的な整合性(字を間違えるな!のたぐい)以外の何の期待もしていないから!
 ニンジンを冷蔵庫で放っておくと/公倍数
 2017・7・19(水)
 適性検査2   7題あります。
 1   理・算 
 問1  理 ニンジンを、野菜室でない普通の冷蔵室にそのまま入れ、毎日重さを量る問題。いいですねー。はじめを100%とすると、毎日7,7,4,5,4%ずつ重さが減っていきます。これをグラフにします。次ぎにこのままで3週間後には重さがどうなるかを推測させる問題。声の教育社説明では、限りなく0%に近づいてしまうそうです。そうかなー途中で4%に落ち始めているから、むしろこの後の減少幅は少なくなると推測する方が普通だし、せいぜい3分の1ぐらいではないのかなーが当方の第一印象。ただし、それを書くのが案外面倒でした。なぜなら、5日分しか資料がないのに、21日後を書くのは資料不足が真実。従って、減少の割合が減っていることを理由に、30%とでも書くしかありませんね。
 問2  理 より正確に問い1の実験をするためにどのようなことに気をつければよいか。
 問3  算 「表面から少しずつ氷が冷凍室内の空気中に出て行く」というお母さんの発言を確かめる実験を計画書風に書く問題。これは一度まじめに考えるべきです。いわゆる机上のプランでは、思わぬやり残しがでるものです。時間のある時に、時間制限をせずに一度書いて模範と比べるなり、先生の意見を聞くなりしてみるといいです。冷蔵庫と氷ですから自分の家でもできます。
 2  
 問1  算 公倍数の問題の一種。こういうタイプはとにかく「公倍数からはずれたらうまくいかない」と、自分でさっさと先読みしてしまいましょう。すぐにアは×となります。
 問2・3 算 問1と似たように考えればできます。心配せず書き始めるといいのです。公倍数です。立体だからとおじけづかないで!特に女子受験生!(男子はとにかく書き始める子が多く、女子はわかったと思わないと次ぎにいかないものです。)
  小数の計算問題が全部で17題もあります!
2017・6・28(水)
 適性検査2   6問あります。 小数の計算問題が全部で17題あります!
 1   総・社・算  普通の問題ですが、何しろ計算問題が多すぎる!
 問1  社・算 1965年から2005年までの農業をしている人の年齢別人数の変化を割合で求めてその特徴を答える問題。ここでさっそく割り算で小数処理をする問題がでます。なんと9題です。169万÷894万=0.189・・・で、割りきれるわけではないので、困ります。問題2からは端数処理の仕方が明記されています。どこで四捨五入するか・・・いたずらに迷ってしまいましたが、しかたなく小数で小数第3位四捨五入としました。声の教育社による学校発表例では19%と書いてありますので、やはり不親切な問題でした。こういうこともあるのですね。
 問2  社・算 (1)フランス・イタリア・アメリカ合衆国のうち1カ国と日本の、1人あたりの農地面積(19519000÷428000=45.60→45.6(ha/人)、1人あたりの農作物収穫量(121723000÷428000=84.3→284)を求めて比べる問題。 割り算で小数処理をする問題が。2題(2) (1)の結果の数値を使って選んだ国と日本の特徴を答える。
 問3  社・算 (1) 2題 問2と同じ国から選び、日本との比較。例えば米でフランスと日本を選ぶと、8770000kg÷172730000=0.5077→0.51kg/u というような数値を二度計算。
 問4  社・算 (1)(2) 同じく、農業就業者数1人あたりの農業用トラクター数、100はあたりの農業就業者数、1はあたりの肥料消費量。1uあたりの穀物収穫量の比較計算。 ここでも計算 4題
 乳酸菌が倍倍倍・・・で増える!ヨーグルトがあふれかえるか?
2017・6・28(水)
 適性検査2   6問あります。
 1     意欲作
 問1 理 増えるということ意外の生き物の性質を確かめる。どのような実験をし、どのような結果になるはずか。この問は生き物が生き物であるからこその性質を聞いているのですから。一瞬ギクッとしました。生まれる(「増える」)、呼吸する、成長する(栄養をとりこむ)、死ぬ、でしょう。この中では、まあ、呼吸を採り上げればいいですね。
 問2 理・算 乳酸菌でヨーグルトを作る実験と計量。30分で乳酸菌は倍々に増える。すると5時間で1024倍に増える。では15時間では?その1024、つまり約1000倍をまた3回かけた数。30時間では?と順々に増やしていく問題。最後に乳酸菌1個はたて0.001mm、横0.001mm、高さ0.01mm。その乳酸菌10000個で20時間後に体積はどうなるかを式にする。この一連の問題は要するに少数計算でもありますが、0が多いときの処理の正確さを質問しているわけです。1m?という単位もおもしろい。理科でしかでませんね。
 問3 理・算 乳酸菌が問題2で与えられた条件だけで増えるのなら、20時間後に乳酸菌だけで何と100Lになってしまう。ヨーグルトでなく、牛乳をヨーグルトに変える乳酸菌だけでです。ここでイメージがぼやけるかもしれません。乳酸菌の計算をしているのに頭の中にはヨーグルトが想像されているという図です。栄養分が牛乳、できあがるものがヨーグルト。乳酸菌はこうぼ菌やかびと同じ。栄養分が1Lしかないのなら、できるヨーグルトは1L以下のはず。後は推測で、0.1Lぐらいから1Lの間をこたえるしかありませんね。
 問4 理 ヨーグルトを作るときにスプーンを熱湯につけておく理由。
 問5 理 缶詰、梅干し、ジャム、乾パンがくさりにくい理由を一つ採り上げて説明する。腐りにくい話は他でもとりあげていましたね。密封して加熱、塩分多い。糖分多い。水分なし。などを挙げればいいですね。
 2   算    小石をお皿にのせて二人で取っていくゲーム。
 問1・問2・問3  算 小石をお皿にのせて二人で取っていくゲーム。まあ、一種のクイズです。先手・後手という表現を使いますから、囲碁や将棋やダイヤモンドゲームの連想でいきましょう。けっこうずるい手を思いつかせて使わせるのです。まあ、がんばって!よく言えば算数の思考力(場合分け)を試している。悪く言うと無意味な問題です。4題もあります。
     
 なぜか102パーセントに・・・/パイプラインは輸送機関に分類されるのだ!
2017・5・10(水)
 適性検査2  
 1  
 問1  社 問題1の(1)で合計が102%になるのです。小学校はこういうとき一番多い部分かその他で調節することになっているはずですが、それも101%か99%のときでしょう。経験値に102%になる例を記憶していないため、当方も「あれ?」と思い、とまどいました。注釈があるのでおそらくそのまま計算しなさいと解釈するしかありません。まじめな子は困っただろうなー。
 問3  社  日本・アメリカ・イギリス・フランス・ドイツの5カ国の輸送機関別構内輸送量(2008)の表を見て、いくつも驚いたことがありました。なるほど、日本以外の4カ国にはパイプラインという輸送手段があるのだ!二つ目に、鉄道の重要度が何とアメリカでは貨物輸送で一番ではないですか!アメリカは国内貨物輸送は自動車ではなく、鉄道! であり、 私には新知見、豆知識 でした。
 問4  社 問題4は計算が面倒です。少数割り算処理が2題、少数かけ算処理が4題、しかも合計をどの部分(2019年の自動車か、航空機かのどちら)から判断すればよいのかまた迷う。これは小学生は「エイヤ!出たとこ勝負」、だろう。受かるような生徒さんはそりゃー、数値の多い自動車から判断しただろうが・・・(模範解答も自動車から計算している)。ここを間違えると問題4の(2)まで響いてしまう。こんなところにも受かるか落ちるかの境目があるのか・・・運命の分かれ道問題ですね。
 上手な雨量計の作り方/92回の操作とはやり過ぎでは?/ルービックキューブより楽だよ! 
2017・5・10(水) 2017・6・10(水)
 適性検査3  
 1  
 問3  理(2) 上が広いのは雨が入りやすいから。下がせまいのは高さがわかりやすいから。当方、この「下がせまいと計測しやすい」というアイデアには「なるほどねー」と思いました。脱帽。受験生の方、わかるのかなー・・・でした私には新知見
     算(3) 1.5リットルのペットボトルの体積=500ミリリットルのペットボトルの体積だから、求める高さをpで□pとすると、4.6×4,6×3,14×□=3,25×3,25×3,14×0,3から、□は0,1497・・・pとなる。
 問4   (1) 近くにじゃまものがないこと、上からの雨水のみを集めなくてはいけないことなどを考えましょう。
 (2)ペットボトルだと倒れてしまうかもしれない。豪雨の場合、あふれて測りきれなくなる、などはどうですか。
 問5   たとえば、17q離れた、となりの雨量計は数値変化があるのに、ある1カ所だけが2〜3日数値0が続くというような、近くの雨量計と連動していない1カ所だけの異常値が続くときなどでしょうね。
 2  
(9ますパズルと27個でできた立体の回転の問題)では →問題1・2・3まで算数の問題だね。ルービックキューブをしたことがある人は取っつきやすさの点で有利だったかもしれませんね。ルービックキューブなどよりはるかに原始的な動きです。
 問1 (1) やってみると案外簡単でしたね。たぶん3回でできたでしょう?その後のやたらに多い92回とか93回とか94回については勘を働かせよう!何かうまい理屈がある」のですよね。こういう頭の働かせ方ができる受験生の方が受かる。
    (2) さーてこの問題は意味を理解するのに時間がかかったかもしれません。ただし、いつも同じことを申しますが、せいぜい5〜6分の問題です。あっさりとしたヒントを思いつけばためしてみましょう。つまり、一度まちがえたら、2度で元に戻るのです。従って、3回でできるものはその次の5回、7回・・・でも出来るはずなのです。そして、偶数回ではできないのです。
 問2 (1) この問題はずいぶん考えたでしょう。てがかりは図4はルービックキューブと違い、回転はしないのです。
 色のついた立方体3個は、たて・横・高さ、どの方向からみても独立していますので、図5のように集中することはないことを理解しましょう。ですから、図6と図7はありえるのですね。
 もしこの操作が最短3回だけなら、(問題1)でした、平面図形のときの考えと同じで、奇数回ならでき、偶数回ならできないのです。ですが、最短ではないですが、4回でもできるのです。従って92回でも・93回でも・94回でもできることになりますね。これについては、小石川中、模範例発表後に追加訂正しています。おおあわてな「小さなドラマ」があったのでしょうね。しかたないです。間違いや、チェック不十分はこの手のテストには「あるに決まっている」のですから。ただし、現場ではそのせいで落ちる生徒さん、受かる生徒さんが出ますので、今後もチェックはよろしくお願いします!
 工業製品出荷額の多い都府県15をリストアップ。/世界各地にある日本の企業数
2017・9・8(金)
 適性検査2   7問あります。
 1   社会 日本の工業がどの県で盛んかを調べる。小石川中名物、割り算計算が12題もある!
 問1 工業製品出荷額の多い県から15をリストアップした資料1を見て、東京、愛知、大阪、福岡の割合を百分率計算する。例の小石川名物割り算大会始まり。ここで4題。問1の(2)で都道府県15を5%以上と5%未満で塗り分ける問題。おもしろいですね。この地図をもとにして、工業製品出荷額の多い都道府県の分布の特徴を答える。予想はしていてもできあがった地図を見てからでないと書けないのが新鮮でした。手を動かして考える良い問題です。
 問2 世界の各地域にある日本の企業数の資料3から2010年におけるアジア、ヨーロッパ、北アメリカの企業数の全世界に占める割合をパーセント計算する。ここで3題。完成した資料3の全体像を帯グラフにする。企業数の割合の変化の特徴を具体的な数値を使って答える。問1よりこの具体的数値を使う分、細かくなっています。その分、割り当てられた解答欄が1行多い。なるほど。小さな工夫ですね。問1とあわせて良い問題です。日本の経済の現状がよくわかる。
 問3 地図がア、東京を中心とした正距方位図法、イ、人口の多い少ないを面積で表した地図。ウ、一人当たり国民総所得を表した地図。この3枚から2枚を選び、2010年の日本の企業数の特徴を説明する。すると、アは日本からの遠近、イは顧客の人口、ウは購買力、つまり、今日の経済学でいう標準的な買ってくれる相手先の地図なのですね。なるほど、いい資料です。後は受験生の方がうまく構成するだけ。
 問4 世界6地域での、日本の企業1社当たりの売上高が何億円になるかを調べる。ここで計算が6題。さらに、その売上高の違いを調べるために先生があげた「地域の人々の所得の違い」以外にどのようなことを調べればよいか。資料5を見ると、1社当たりの売上高は北アメリカが185億円で1位、ヨーロッパが128億円で2位。逆にアジアは70億円で最後の6位。こういうはっきりした差に注目すると、進出している会社の業態も関係あるかと推測出来る。つまり車や大型機械を売る会社と食品を売る単価の小さい商いの会社の違いなどを調べるとよいと思い浮かぶでしょう。
 問5 外国語でいろいろなお知らせを書く以外の、外国の人が日本で快適に暮らすための工夫を書く。
 問6 外国の人がやってくることを生かして日本をどのように発展させることができるか。141字以上、160字以内で考えを書く。
 サケはどうやって生まれた川に戻るか?/正多角形とオイラーの定理
2017・9・8(金)
 適性検査3   8問あります。  
 1    理科 サケの稚魚はなぜ自分の川に戻ってくるか?
 問1 10万匹の稚魚に4週間で目印を付けるための人数を調べる。1匹6〜12秒。一日6時間作業。1週間のうち5日働く。そのための途中式と最低必要人員を求める。
 問2 ある科学者の調査では、50万匹離したサケの稚魚のうち269匹生まれた川で見つかったそう。これだけで離した川にサケが戻るとは言えない。ほかにどのような調査をすれば良いかを書く。これは良い問題ですね。少年少女の科学者魂を発揮しましょう。誰からも文句をいわれない結論をつきつけましょう!
 問3 問題2の続きで、サケは生まれたときには自分が戻る川がわかっているわけではないそう。このことを確かめる実験をどのようにするかを書く。
 問4 サケは広い海で川のにおい以外に何を手がかりにして長い距離を戻ってくるのか。自分の考えを書く。  
 2    算数 正多角形の問題。
 問1・2 これは中学で習う「オイラーの定理」そのものですね。順番に順番に読んでいけばだいじょうぶですよ。おもしろいですね。
 日本を訪れた外国人に関する資料を読み、小数割り算の計算を16回させられます。
2017・9・21(水)
 適性検査2   8問あります。
 1   何と小数割り算を16回させられます。普通の小学6年生はこれだけで20分かかります。これは電卓貸与すべきではないですかねー・・・
 問1 社・算 日本を訪れた外国人旅行者の移り変わり。10年ごとに何倍かを調べるために3回少数割り算します。                                    
 問2 社・算 日本を訪れた外国人の地域別人数の総計人数に対する百分率を少数割り算します。小数割り算を5回します。その後、アジアの人数の割合の変化の特徴を具体的な数値を使って答える。これもまた3回少数割り算します。
 問3 社・算 日本を訪れた外国の人の、「一人あたりの旅行消費額」の特徴を資料4のなかの1カ国を選び、「すべての外国人旅行者の旅行消費額」と比較して百分率で答える。これもまた5回少数割り算します。
 問4 社   日本を訪れた外国人旅行者にどんな体験をしてもらいたいか、それによって日本のどういうよさをわかってもらいたいかについてあなたの考えを具体的に書く問題。121字以上、140字以内。
 問5 社・算 資料6・資料7から1つの国を選び、日本と比較して、入国者数、出国者数、国際観光収入・国際観光支出から読み取れることを具体的な数値を使って答える。さすがにこの問は割り算して答えるわけではないのですが、細かい数値を比較して多い少ないをいうことになります。結局社会と算術(計算)の融合問題ですね。 
 問6 社   外国人旅行者を増やすために日本はどのようなことをしたらよいか。141字以上160字以下で。普通の小6が考えることでいいですから、字数守って書けば必ず点になります。
   
 鉛筆は消しゴムですぐ消せる。赤鉛筆は消しにくい。レシートの印字は・・・
 2017・9・21(水)
 適性検査3   8問あります。
 1    この一番は何か一貫性がない寄せ集め問題の感じがします。
 問1 理 顕微鏡で拡大した像を見て、鉛筆で書いたものがきれいに消える理由と赤鉛筆で書いたものがなかなか消えない理由を考え説明する。                      
 問2・3   理 レシートの印字は太陽の光にあたっていたせいでうすくなると仮定。太陽の光が原因で何かが変化する身近な例をほかに1つあげる。、またうすくなる理由で光以外の理由を答える。                                       
 問4・5   理 発光ダイオードでレシートの字をうすくすることが出来ると考えるか。出来ないと考えるか。その理由は。  問5 書いた字を消すことができる例を考え、それについて説明する。その仕組みも。
 2  
 問1・2・3・4   算  用意された6個のおはじきの間に線を引き、次第に条件を足していくパズル問題。よくある「条件提示され整理して解答につなげる」問題。
 この種の問題は最初は「とにかく書き始める!」しばらくしているうちに法則性が見えてくる。もし見えなかったらあきらめる。としかいえません。解き始めるとおもしろいのですが、 当方は、どうもこの種の問題には気持ちがはいらないです。
   
 休日に何もしないのは日本の若者だけ?日本人の余暇の過ごし方 
2017・9・21(水)
 適性検査2の2  
 小石川中、共同問題化したこの年から独自問題を、差し替え可能なぎりぎりまで出してきました。都立中トップ校のプライドでしょう。それに見合う、内容変更や独自性が感じられれば良いですが、社会系を適性Uの(2)で、理科と算数を適性Vでいれ、中身もおもしろく仕上がっていて、意欲満々ですばらしい!
   独自問題 4問あります。問3だけでまた少数割り算計算が16回あります!
 問1 18歳から24歳までの若い人の休日の過ごし方を1位から4位まであげる。日本・韓国・アメリカ・スウェーデンの4カ国の資料(内閣府資料)を比較して1カ国選んで特徴を書く。これが何ともおもしろい!4カ国とも1位は「友人と過ごす」。日本の2位、「テレビなどを見てのんびり過ごす」が韓国3位、アメリカ4位、スウェーデンは2位。この2つの過ごし方は4カ国共通で圏内。後は1カ国しかない項目、日本は「特に何もしない」が4位に、韓国は「パソコンやインターネットを利用する」が2位に、アメリカは「家族とともに過ごす」が3位に、スウェーデンは「読書をしたり、音楽を聴いたりする」が4位に単独で選ばれています。おそらくこの単独項目が各国の特徴をずばり説明している気がします。また、この4カ国を選んだ小石川もうまい!
 問2 日本人の余暇の過ごし方 1986年から2011年までの15歳以上の日本人を対象。その余暇の過ごし方割合を調査した資料2(日本国政図絵2013/2014などから)をもとにして、「野球と映画鑑賞以外の余暇の過ごし方」から一つ選ぶ。これまたおもしろい表です。その変化の様子を説明する。間にバブル崩壊の1991年を挟んでいますので、お金のかかる趣味は後退していることを考慮した上で、かってに1991年と2011年でこの20年間の変化を比較をすると、
  @ 増えたグループ、 資格取得学習は1.9倍、ゲームは2.3倍、サッカーは1.7倍、映画鑑賞は1.3倍に増えている。
  A 横ばいグループ 外国語学習、スポーツ観戦、日帰り行楽、1泊以上の国内旅行、海外旅行は横ばい。
  B 減ったクループ、 野球は0.5倍、ジョギングマラソンは0.8倍、ゴルフは0.5倍、カラオケは0.7倍に減少。
  おもしろいですねー!
 問3
  (1)映画館に一人が一年に何回行ったかの「入場回数」を6回計算する。
  (2)入場回数と映画館数について、1970年から2010年のそれが1960年と比べて何倍になるかを計算。→1970年は入場回数0.23倍。映画館数0.44倍。以下1980年、1990年、2000年、2010年と10回計算する。
  (3) (2)の計算を元にして折れ線グラフを作る。
  (4)(3)のグラフを見て映画館にどのような変化があったかを考え、理由とともに書く。→映画館数は1990年まで減り続け、その後回復傾向。入場回数は2000年まで減り続け、2010年横ばいと書いてもかまわないぐらいのわずかな回復傾向。これまた、おもしろいグラフができあがります。小学6年生にとっては映画はサブカルチャーの一種かもしれませんが、相当な高齢の方にはメインの娯楽ですらあったのですから・・・「あの」映画がこの先また持ち直すのか!・・・・やきもきというところです。
 問4 アニメ映画、テレビ番組、マンガ、和食以外で、世界に広めたい日本の文化を選び、その理由とともに106字以上、120字以内で。書く。あれ、何で106字なのでしょう?マス目の関係で横一行15字だからですか?変わってますねーまあ、だいたいだから採点しやすい形をねらったのでしょうね。
 どうでもいい話ですが、テストの本文にも「すごいや、おじいさんの本だなには何でもあるね」と書いてあるとおり、このテストに登場するおじいさん、何者なのでしょうね?「20歳くらいの人たちが休日をどう過ごしているかの資料」、「日本人の余暇の過ごし方の資料」、「映画についての詳しい資料」がすぐとりだせるところにある人で現役でないらしいって、元文化欄担当の新聞記者?社会学の学者?資料を駆使する作家か編集者?ひょっとして小石川中高の先生?いずれにしろ趣味の領域を越えていて、ただものではない感ありすぎです。
 だいたい都立中問題に登場するお父さん、おじいさんは超人すぎます。まあ、そんな「設定の無理さ」「不自然すぎる会話」も当方が楽しんでしまうところの一つです。
 ボールをもっと弾ませろ!あてまくれ!/はやぶさ軟着陸の工夫。/カレンダーの不思議。
2017・9・21(水)
 適性検査3   独自問題   9問あります。問3だけでまた少数割り算計算が16回あります!
 1   算数 
 問1 バスケットボールの弾み方の問題。まず3回の弾み終わりの高さから平均の反発率を少数第2位を四捨五入して出す。それをもとにして4回目の弾み終わりの高さを出す問題。割り算3回。かけ算1回。
 問2 バスケットボールより高くはずむボールを作る。どのようなボールを作れば良いと思うか。出来るだけ多くの要素についてなぜそう考えるかも含めて説明する。つまり、ボールの中の空気量をさらに増すだけでは、要素が一つなので、合格答案にならないということです。さらに空気抵抗を小さくするなどの第2要素、ボール自体の素材も反発しやすいように改良を加えたゴムにするというような第3要素を追加して、書くべきなのでしょう。残念、当方もう思いつきません。
 問3
  (1)ボールを壁にあてたときに、跳ね返る大きさを変えるための要素を出来るだけ多く答える。
T、スピードを上げる、
2、角度を調節する。
3、ボールにスピン(回転)を加える。ぐらいでしょうか・・・。出来るだけ多くの要素といっても。まあ3つが精一杯です。
  (2)選んだ要素のひとつだけを変化させる装置を考え、仕組みをくわしく説明する。スピードだけなら、野球のスピードガンの仲間を考えればいいのでしょう。ひょっとすると角度も回転も同じですか・・・図を書けば何とかなりそうですよ。
 問4 ボールを的にあてるためのロボットを作る。その際にどのような要素を調節できるロボットにするかを説明する。これまた、角度とスピードという要素を調節できれば的にあたりますね。
 問5 はずまない方がよい場面を例を挙げて説明する。どのようにするとはずまなくなるかも具体的に説明する。この問題、宇宙船ハヤブサ号がイトカワに接地するときのエピソードにありましたね。硬い岩盤に着地すると跳ね返ってあらぬ方向に飛んで行きかねない。考えついたアイデアは、映画では研究員たちが飲み屋で相席の工員さんたちに教えてもらったのがお手玉の構造利用でしたね。お手玉の中には小豆とか籾殻とかが入っているのです。何かつぶつぶの物なら何でもいいのでしょうね。ではつぶつぶだと・・・
   どれもおもしろい問題でしたが、女の子は若干不利かな−・・・
 2    算数 カレンダーを利用した7の整数倍問題。一種の周期算。ただし、言葉による説明が必要。中学2年生あたりが数学で学習する問題です。何題も続くので、中2よりしつこい量になっています。書けない生徒さんは徹底して書けません。中学生がxを使うところを□を使って文章にすればいいのです。模範解答を見て慣れましょう!
       
 この15年で国内百貨店数は47.89%、一般店舗数は50.83%に減少!
2017・10・8(日)
 適性検査2の2    共同問題からできる限り抜けだそうとする小石川中。その独自問題出題2年目です。今年もこの適性2の2で名物割り算16題を出しました。社会系での半端でない量の計算出題ですから、これだけで女の子はいやがる!
 独自問題   4問あります。質問は日本の小売業。またあの去年のおじいさんが出演します!
 1    社会・計算 ことばの定義が少々面倒。「国民総所得」、「一人あたり国民総所得」「小売り売上高」「一人あたり小売売上高」「食料品店小売り売上高の割合」。最初は当方もこの概念になじめなかったです。生徒さんはもっとそうですよね。
 問1 少し雑になりますが、資料1−2のグラフが言いたいのは、小売りの食料品にかける金額が一人あたり国民総所得5000ドル(年50万円強)未満では50〜70%と大きい値ですが、1万ドル(年間100万円と少し)前後からはもう2万ドルでも4万ドルでも6万ドルでも30%から50%台と余り変わってこないことを読み取れればよいのです。日常生活での食料品の重要さがわかるということでしょうね。
 問2 ここでも「非店舗売上高」という概念の説明が必要。資料2によると、要するに今の時代の流れ、自動販売機、通信販売、インターネット販売などの非店舗での売り上げです。日本以外のアメリカ、イギリス、ノルウェー、フィンランドの4カ国での非店舗売上高の買い物の方法をまず資料2から計算して割合で示します。
   ここで例の16回計算です。計算した後でグラフに書き込みます。さらにその中の1カ国を選び、他の4カ国と比べてその国の特ちょうを書く。アメリカは通信販売での売り上げが多い。イギリス・ノルウェー、フィンランドはインターネットでの売り上げが多い。ついでに日本は自動販売機での売り上げが多い。おもしろいですねー。ただし、これは2012年の話。もう10年もするとどこも皆、インターネットでの売り上げに確実になります。で、次の問題です。
 問3 今度は国内での、1997年から2012年までの、店舗数と販売額の変化の資料3−1と3−2です。対象は百貨店、総合スーパー、専門スーパー、コンビニエンスストア、一般店舗、その他です。見ますと、百貨店、総合スーパー、一般店舗での変化が同じ傾向を示しています。どれかを選んで、変化の様子を百分率を用いて説明する。
 計算してみますと百貨店の店舗数、15年間で47.90パーセントに、一般店舗50.83パーセントに落ちているのです。15年で半分ですよ!近所の魚屋さんも、果物やさんも、雑貨店さんも、みーんな、なくなっていっているのです。横並びで比べると1997年の一般店舗の全店舗数に占める割合は86.34パーセントだったのが、2012年には60.29パーセントになっている!そりゃーシャッター通りにもなるわけですよ!ところでこの問題の解答指定はすごい、パーセントの少数第三位を四捨五入し、パーセントでも少数第二位までの概数を要求しています。今までたいていパーセントの場合、少数第1位までの概数要求でしたよ・・・・
 問4 で商店街に来るお客さんを増やすためにどのような取り組みをしたら良いと考えるかの質問です。121字以上、150字以内。これはもう対策済みかと思います。
 普通に、「キャンペーンやイベントをする」、「若手ががんばる」、「特産品をアピールする」などでいいのです。もう、テスト会場で突然思いつくような奇策はないのです!がっかりしないでね!だからみんな勉強して自分たちの対策をたてる明日に備えてね!やがて年上はいなくなり、皆さんが仕切る時代になるのですから!
 カーリングの石の底の工夫。/ブラシでこする理由/人はなぜすべる?
2017・10・8(日)
 適性検査3    適性3の独自にも計算問題が3題。
 1    理科・算数 
 問1 「すべりやすい」について具体的な例をあげて、なぜすべりやすいのかについてあなたの考えを書く。いくらでもありそうで、すぐ下の文に書いてある「氷関係」以外の例を当方など思いつかず、困りました。解答例は「海岸近くの砂が乗っているコンクリートの上」というおもしろい例です。説明も「くつの底とコンクリートの間に砂のつぶが入り、そのつぶが動くから」だそう。
 問2 カーリングの際のストーンが氷の粒に当たっている面積を計算する問題。ストーンの裏側で氷に触れる部分の最大直径を解答者が自分で決めることになっているので、結果が整数だけでも5通りでます。解答者は例のごとくどれか一つでいいのです。決めるのに時間がかかるタイプの人は割り切って普段から「最大にする」(または最小にする)とでも決めておいたらどうですか?どの数値でもそう変わらない。
 問3 ブラシでこする理由をくわしく説明する。それを確かめる実験の説明をする。正しかったときの結果を書く。
 問4 あなたの回りでのすべりにくい工夫を説明する。その理由を書く。
 2    算数 積み木で遊ぶ問題。一辺6cmの立方体とそれを二つにした三角柱の積み木の問題。
 問1 一辺6cmの立方体を半分にした三角柱の展開図を書く。
 問2 図2の立体の規則性を探る。私立中入試勉強で出る、いわゆる「いろいろな数列」の問題。 問3 問2の延長の表面積を求める問題。一辺6cmの正方形の斜めの長さ(6ルート2cm)を仮に8.5cmと書いてくれています。普通の算数計算問題。最後に立体Aの展開図を一枚の方眼紙(工作用紙)に工作するために書く問題。手を動かすという意味で良い問題ですよね!
   
 世界プールに真水は何?たまる?/え!日本の一人あたり水資源量は・・・
2017・10・18(水)
 適性検査2    4問あります。そのうち2題の計算がからむ問題がとてつもなくおもしろい!
 2  
 算 すぐに使える水の問題。かねて日本が使える水は意外と少ないと何度も話題にされていたことを知ってはおりましたが、こうやって自分の問題として考えたことは今回が初めてでした。個人的には大感謝です。
 問1 水の種類を以下の7つに分ける。海水、氷河など、地下水(塩水)と地下水(淡水)、湖水(潮水)と湖水(淡水)、河川水。なるほど、確かにそんな分類になるのですね。その割合を表にした資料1−1。その7タイプから受験生が「すぐに使える水を確認し、その割合を計算する。
 自分で確認してみると「地下水で淡水」、「湖水で淡水」、「河川水」の3タイプしかすぐには使えない。あわせて地球上の使える水のわずか0.7672%しかない!地球の水の量にこの割合をかけて、使える水の体積を計算する。次に地球の陸地の面積(資料1−2)相当の直方体の容器(つまり、プール)に入れると深さは何mになるか。
 この計算になると表で紹介されている数値が万?とかで書かれているため単位統一にてこずります。そうでなくても数が大きいため大変な1題です。
 問3 資料4から日本の一人当たり水資源量を計算し、資料3のグラフに書き加える。ヒントはすべて資料4にあるのですが、計算が大変。小学生が苦手とする「けた数の多い数値どうしのかけ算と割り算」なのです。mm、万?、万人、とかの単位をきちんとけたをまちがえずにやりきる力、案外、私立中受験でも練習をしていない分野です。ですが、というか、だからこそ、この問題はおもしろかった!
 ついでですが、この問題の続きとして「では日本の一人あたり水資源量の計算の仕方を利用して、世界の年間降水量のうち使用できる割合を推計しなさい」という問題がもう一問できますね。当方の計算では49.5%と出ましたが・・・どんなものやら。
 なお、都立桜修館中平成18年問題で同じ資料の平成17年版を題材にして計算以前の、なぜ「年平均降水量」と「一人当たりの年降水総量」が違うのかを説明する問題が出ています。大きくは同じ着目点ですが、質問の場所が違っていました。
 
 冬金属のベンチはなぜ冷たく、夏なぜ熱い?/球を校舎より高く積み上げる!
2017・10・21(土)
 適性検査3    8問あります。
 1    理 当方、質問の構成が納得しにくくて困りました。むしろ、関連知識からの邪念なく、最初からとてつもなく素直に読んだ生徒さんだけが問1でつまずかずに解答できたのではないでしょうか。
 当方、何度も読み返してしまいました。要するに、この問題は、金属の熱の伝わり方(たぶん中学生以上で習う熱伝導率)、こもり方(同、比熱)をほとんど知らない前提で紹介しながら、小学生の分析度を質問しているのだろうと了解。つまり、妙に既存の知識を持ちすぎていると文の流れがかえってつかめなくなる。大問1全体で、ほとんど知らない分野としての「金属の暖まり方」を読んで少しずつ理解しながら、自分の分析を素直に書けばいいのです。
 もう一つの重要な視点、「冷たい理由」ではなく、「冷たく感じる理由」という書き方を一貫してしているのです。もちろん登場する子供たちの会話部分ではそこがあいまいです。だからこそ問題化できる。子供たちがその違いに気づいていたらとっくに自分でわかってしまう。
 問1 寒い日(おそらく冬?)の会話から。登場人物の「るいこ」ちゃんが「どうして金属のベンチの方が冷たく感じられるのかしら」と言ったのに対し、「みかちゃん」が「木よりも金属の方があたたまりにくいのかもしれないわね」と返し、さらに、「金属のベンチがぴかぴか光っていることが何か関係しているのかしら」と続ける。
 質問は、「木よりも金属の方があたたまりにくい」という考えが正しいとすると、なぜ金属は木よりもあたたまりにくいのかを金属と木の違いにふれ、あなたの考えを書く。
 うーー、言っていることがわかりません!「正しいのか・・・」うーん・・・以下、当方が初めてこの問題を読んだ際の邪念。
 理科の質問だと思うと、普通は木よりも金属の方があたたまりやすいはずなので、まず、あれ、どういう話なのかなー・・・・とりあえず日が出てすぐあたりの、まだ夜の寒さが残っていた時間だから金属の方が冷たさが残っていたのかな−でもそうすると木が先に暖まることになるか・・・マイナスの温度だと金属には手がはりついたりするし、それは関係ないか・・・質問も「〜という考えが正しいとすると」と書いてあるし、きっと出す方も微妙な質問になりかねないので予防線を張っているのだろう。それにしても、意味がつかめない。座った子供たちの体温を金属は木よりよけいに、かつ速くうばい(熱の移動)、結果冷たく感じたのではないかなー・・・
 しかたなく、模範解答を見ると、「金属はびかびか光っているが、木は光っていない。金属は木よりもよく光をはね返すからあたたまりにくい」のだそうです。いろいろな条件がからむ自然現象のうちの一つだけを浮かび上がらせて考えさせようということなのでしょうね。金属の方が比熱(容量)が小さく、熱伝導率もよいのでとか、知ってしまった知識とつなげようとする気持ちがわき上がり、しかもその知識とのかみ合わせの悪さばかりを感じ、当方、先になかなか行けませんでした。
 結局、この質問の最終確認です。単純に、会話中の「金属のベンチがぴかぴか光っていることが何か関係しているのかしら」という文をヒントとしていけばいいだけなのですね。
 続きの質問文のなかで、最初の「金属はあたたまりにくい」という説明では夏に金属のベンチが熱くなる理由が説明できなくなるので、何か別の理由があるのかしら、とみかちゃんに発言させています。そうだ、そうだ!
 問2 なぜ夏には木のベンチはさわれないほど熱くはならないが、金属のベンチはとても熱くなるのか。あなたの考えを書け、が問2。またしても、比熱(容量)とか熱伝導率とかという考え方をマイルドにして説明をしたくなるのですが、まだ小学生は習っていない。どうするのだろう。模範解答は「金属のベンチには熱がこもってしまい、出ていきにくいからとても熱くなる。」だそうです。エッ、熱がこもる?そんな説明ですか・・・
 それなら、(「太陽から同じ熱を受け取ってもそれによって上がる熱の比率が木よりも金属の方が同じ重さで比べると大きいから速く温度があがるので、熱くなる。」あたりでどうでしょうか・・・)くどいし、何かの知識を前提にしている感ありありか・・・答えるのが難しい!
 問3 るいこちゃんが公園での経験をお母さんに話す形式。お母さんは「金属をさわると冷たく感じるのは、温度が低いからともいえないわ」と発言。金属のスプーンにのせた氷はプラスチックのスプーンにのせた氷よりもとけるのが速いことを説明。さらにアイスクリームも金属のスプーンですくった方がうまくいくことも紹介。あわせて、実験をしてみる設定で、質問。その後、「金属をさわると冷たく感じる理由を説明する。」
 模範解答は「金属に体温がうばわれるから」。なるほど、そんな解答でいいのですね!問3までのまとめとして、るいこちゃんに「金属にはいろいろと不思議なことがあるのね」と言わせています。そして、
 問4 金属を使って作った方が良いと思うものを考えなさい。という質問。その理由も説明する。ここまでの流れでほのかに見えた、金属の熱伝導率の良さ、比熱の小ささを利用すればいいのですね。
 2    算
 問1 正方形の中に、デザインを加えた円を2種類書き、黒く塗った部分の面積を比べる。計算問題。
 問2 3種類のコースターを紹介し、互いのコースターの中に描かれている円の大きさをコースターを重ねるだけで同じか違うかを説明させる問題。計算するのではなく、明らかに同じ大きさの中に同じ個数の円が収まっていることを示して「大きさが同じ」とする手法を図を用いて書かせる。わかってみるとおもしろい問題です。
 問3 球をピラミッド型に5段積み重ね、その球のそれぞれの表面に○、×、Δを隣同士重ならないように書くにはどうするかの質問。
 問4 そのピラミッドを390段にする。すると○、×、Δの模様は全部でいくつになるか。他に、端に赤、中に白のままの球もあるのでそれも含め、計5セットを数える問題。簡単でも難しくもないのですが、やはり時間はかかります。解けてわかればおもしろい問題でした。
日常の食べ物はどこから/フードマイレージに対する二つの立場/日本の食料どうする
2018・9・25(火)
 適性検査 U(2)  4問です。共同問題にすべりこませた4題。ボリュームがありますので、時間配分が大変です。
2  算 おまけの話ですが、またあのスーパーおじいさんが出ました。どんな資料でも持っています。中身がまともなのでこんなどうでもいいところでちょっと茶化してみたりしますが、怒らないで下さいね。
 問1 食べ物はいろいろなところからやってくる。  まず農業。国内消費仕向量の「仕向」の読みには驚きました。当方、初めて聞いた言葉でした。「仕向ける」という動詞は知っていますが、自分では日常使いもしません。まして、送り仮名をとった「仕向」でしたら、上にふり仮名が振ってなければ「しこう」と読んでしまいます。1年間に国内の市場に出回った量だそうです。このスーパーおじいさんは当方の断定では、国家公務員のそれもかなりの専門職経験者で現在は都内有名大学大学院の特任教授。しかも自宅は政府刊行物をきちんと保存している資料館の・・・屋根裏です!
 資料1 米、野菜、魚介類の「国内生産量」と国内消費仕向量(簡単には「国内消費量」)から食料自給率のグラフを完成させる。さらにそのうちから選んで、1970年から2015年までの食料自給率の変化の様子を具体的な数値を用いて説明する。すると例の小石川名物少数割り算12回(「米」の分の計算4つは解答グラフに印刷済みです。つまり今年は4つ減った!と思ったら、その後比較する問題でまた3題はしなくてはいけないかも・・・)です。さらにそれをグラフ化する。これができない子は小石川中には適性がないわけです。厳しいですねー!肉類と魚介類はそれぞれ日米の肉の輸入自由化交渉(1991年)や国連海洋法条約の発効(1994年)の結果がしっかり出ています。なんとグラフを書くと50%台に落ちるところが出てくる!
 問2 (1) フードマイレージの数値を小さくする方が良い理由について、会話や資料を踏まえて、あなたの考えを書く。 (2) フードマイレージの数値を小さくする方が必ずしも良いとは言えない理由について、会話や資料を踏まえて、あなたの考えを書く。
   すごいです。これはもう大人のレポートです。大人にとってほとんどすべての選択はいい悪いではなく、どれだけよくてどれだけ悪いかの狭間(はざま)をうろうろすることなのです。そしてどっちの選択をしても結局同じになってしまうことも多い。占いはそのときのための最終手段ですものね。
 問3 今度は漁業について考える。資料4で「チリのサケ・マス類の生産量とその使い道の内訳」。資料5で「日本のチリからのサケ・マス類の輸入量」が紹介され、日本がチリからサケ・マス類を輸入することは、チリの産業にどのような影響をあたえているか。会話や資料をふまえてあなたの考えを書きなさい。
 チリでのサケ・マスの2012年、1年間の生産量が82万トン、輸出量が49万トン、日本の輸入量が21万トン。たまにいますが、少ないと判断してはいけません。これをすごく多いと判断しなくては受験資格なしですよ。
 問4 食料の生産や貿易で、日本はどうしたら良いか。このまま輸入を続けた方がよい。食料自給率を高めた方が良い。のどちらかの立場を選び選んだ理由を書く。また、その立場での問題があるところを書き、社会としてどのように解決していけば良いか。あなたの考えを121字以上150字以内で書く。
 問2から問4まで一貫して小石川中は両方の立場を意識した姿勢を受験生に要求しているわけです。これは、つまりディベートの精神です。両方の立場を考慮できる生徒さんがほしいのです。まあ、小学6年生ならできますね。トップ校の入学適性試験というものの本質はこれでした・・・
泡ってそもそも何なんだ?/長方形を横に何回も折って開いた山折り谷折りの考察
2018・9・28(金)
 適性検査 V(3)  7問あります。泡ってそもそも何なんだ?
1  理 おもしろい問題でした。想像力の羽が思い切り伸ばせます。  ただしこの問題、小学生にはとっかかりの知識が不足過ぎる気もしました。シャボン玉遊びの泡(石けんの泡)と水の沸騰のときの泡(普通の泡)しか材料がないでしょ?白状しますが、私もそんなものです。 
 問1
 石けんの混ざった水でできた泡はどのようなつくりになっているか。水、石けんなどが、書いた図のどこにあるかも図示して泡の断面図を書く。当方、この問題を読んだ瞬間に「やられた!」と思いました。身近な話なのに、考えたこともなく、知りもしない話でした。その場で考えるしかないのですね。
インターネットで調べました。以下引用と若干の自己解釈。
 泡とは、「液体もしくは固体がその中に空気などを含んで丸くなったもの。気体を包む液体の表面張力により形成される。」だそう。  では、普通の泡と石けんやシャボン玉の泡の違いとは何だ?普通の水だけの泡は「水」本来が持つ表面張力で、すぐ縮むので、長持ちしないですぐ壊れて消える。
 これに対し、石けんやシャボン玉に含まれる「界面活性剤」が  @ 「水」本来の表面張力を弱めるせいで、すぐに縮まない。つまり、原型を保てる。  A 泡の界面活性剤はそれ自体が並んで、膜となり、泡を強くしている。
ただし、石けん液が次第に球の表面を下降していき、成分も薄くなっていくのでやがて壊れる。つまりいずれ割れることになる。
 問2
 石けん水が細かい泡になって出てくる容器の仕組みを図を書いて考え、説明する。これまた問1と同じく難しい。ただ、「この容器では、どのような仕組みで泡ができると思いますか。」だから、泡の「細かさ」には言及してないのですね。ただ泡のことだけなのか・・・
 その場で考えた生徒さんが大半でしょう。テストの文章の中にヒントがあるといえばあります。「手で泡立てるより泡立て用のネットを使った方が泡が細かくて気持ちがいい」そう。その前の文章でもバタ足をしたり、お風呂で水面をたたくと水だけでも泡がでる。とある。ということはバタ足、水面たたき、泡立てネットに共通する仕組みを考えればそれがヒントなのです。水を「切る」、または「混ぜる」などという動詞的イメージが最初に浮かびます。「切る」というイメージは液体ですのであまり意味がなかろう。おそらく、バタ足するのもそうですが、水を「たたく」。
その結果、「空気が水の中に混ざる」のでしょう。水だけだとすぐに泡は消えますが、石けんの主要成分、界面活性剤のせいで空気の密閉状態がしばらく保たれるのだと思います。あれ、界面活性剤とは何だっけ?言葉だけが記憶に残って便利に使おうとしているだけで仕組みがわかっていない当方・・・ええと?・・・あ、こりゃおもしろいぞ!当方の「こりゃおもしろいぞ」スイッチがここで入りました。
 後でわかったことですが、界面活性剤とは界面(境界面)に作用して性質を変化させる物質の総称。浸透作用、乳化作用、分散作用の3つの作用があるそう。この問題では、そのうちの乳化作用(水と油のような混じり合わないものを混ぜ合わす作用)がもっぱら関係ある。代表例が石けん中の脂肪酸塩や牛乳中のタンパク質。具体的には一つの物質内に水になじむ部分と油になじむ部分を持つ物質。
 問3 
この問題に対するわかりそうな切り口が、問2の時点からすでに「泡立て用のネット」しか当方にはなかったのです。後で学校発表模範例を見て扇風機の羽根のような仕組みが紹介されているのに驚きました。プロペラかー・・・ふーん、これは「網」よりも積極的に液を攪拌する点がすぐれものですね。脱帽!
 当方はもっと単純に、ネット、つまり網だろう。石けん液がそこを通過するときに編み目と接触してさらに空気と混ざる。編み目自体もポンプが押されたり戻されたりして動くから空気と混ざることが繰り返される。その結果、シャボン玉が刺激を受けて分割されて小さくなる。それが穴を通して出てくる。わかったかも・・・問2の容器の装置はそういう編み目が装置の太い部分に何層にも、例えば3層?になっているのでは・・・と考えてみたのです。
 するとこの問3で他の石けん液のときに写真4のような大きいシャボン玉にどうしてなってしまうのか・・・あれ、とりあえずの考えが浮かばないぞ・・・液が濃いからなのかなー・・・濃いと石けん分のくっつく力が強くて最後に出てくる穴の中でまた大きくなってしまうのか・・・そういえばシャボン玉飛ばしのときはゆっくり吹くと大きくなったなー・・・液が濃いとなかなか通過していかないからシャボン玉をゆっくり吹くのと同じ現象になるのかなー・・・もう時間がないからそれで行こう!書くぞ!
 えーと、どのような実験をすればよいかか・・・では、問3ではその他の石けん液の濃さを @ 原液、A 暖めて水分を蒸発させて減らし、原液より濃くした石けん液、
B 水で薄めて濃度を薄くした石けん液 の3種類用意して泡の様子を調べることにしよう・・・
 問4 (1)
 あなたの身のまわりで、泡がたくさん出て困ってしまうような場面を考えて一つ答える。そりゃ・・・あれ、案外思いつかないなー・・・えーと・・・カレーライスの下ごしらえで出るにんじんの「あく」が面倒だなー・・・最近は手で食器洗わず、食洗機使うから泡見ないしなー・・・洗濯も洗濯機に洗剤入れるだけだし・・・お風呂でシャンプーの出し過ぎ?ぐらいか・・・それも当方のような頭髪状態(知っている人は知っている)では最近まずない!
(2) しょうがない、「あく」の話を書こう。面倒そうだなー・・・いや待て、お風呂でシャンプーの出し過ぎの話を書いたら簡単だぞ。すると次の(3)が身も蓋もない答えになって解答としてはだめか。では、「あく」だ。直球ど真ん中、行くぞー!!!
 あれ、「あく」って何だー。世間で言う「母の教え」では「いらない」「えぐみのもと」「しぶくなる」そんなことだっけ・・・あくは泡そのものではないようだけれど、にんじんの中の何だ?まあ、いいや、泡成分だけの話だからとりあえず、泡。あくの周りにまといついているということだろう。この泡はすくうとわりとすぐに消えるなー。するとほんの少しの膜成分で覆われた空気の塊だな。では、そんなに油分原因ではないか・・・だからすぐ消えるんだ・・・
 え、泡を減らしたり、泡がでないようにしたりするにはどのような工夫をすればよいかだって???そりゃ「料理が上手くなる」「新鮮な素材を使う」「温度を工夫する(書いてはみましたがその意味するところが自分でもよくわかりません)」「いっそレトルトカレーに変える」か・・・冗談を書いてる場合じゃないぞ!!テスト中だ。やはり「あく」はまずかった。まてよ、あくは出した方がそもそも料理にとってはいいはずだぞ。じゃーこの質問自体が無意味化してしまう!えーいどう書けばいいんだ!おいおいどんどん横道にそれて行く。まずい・・・!
 模範解答は似た場面設定でしたが、吹きこぼれの泡の方を注目して書いていました。なるほど。とはいえ「あく」の粘り気にも言及していました。当方、「当たらずといえども遠からず」の迷宮入りバージョンを演じてしまいました。
2  算 長方形の紙を折る遊びからスタートする問題群です。紙を折るのは禁じられています(問題を解くときの注意点のアスタリスク(*)で、「この問題は考えて解答するものです。」とまずあり、その後ろに表記されています。もちろん現場で折るのはさすがに考え物ですが、この問題、そこがネックになります。)ので、純粋な思考問題です。ただし、下書きの図は書ける。
 問1 (1) 長い方を横にして置いた長方形の紙をまず右側を固定して真ん中が谷折りになるように半分に折ります。これをもう一度して2回折ったときの折り目の並び方を解答用紙に書く。要するに左から、山折りなら山記号、谷折りなら谷記号を書くのです。これは全員できるでしょう。 
 (2) 今度は(1)を4回折りまで続けたときの折り目の並び方を同じように書くのです。
 先に白状しますが、当方はこの手のひっくり返してまたひっくり返す。そしてまたひっくり返す・・・という作業形態が苦手です。当方の脳みそにそれを一括して把握できるイメージ保存分野がないのだと思います。それなら鍛えろ!でしょうか?
そもそも日本語は「反対」と「逆」を厳密に区別せずに使っている(区別はあるようですが、数学から始まって、学校教育のどの段階でも習った覚えがありません。学者たちの得意な漢字の語源等からくる説明や、いろいろな表現を比較分類する手法で、ある程度の使用範囲の決定はできるようですが、当方が言いたいことは日本の普通人は「反対と「逆」はお互いをシノニム(同意語)として使っているにすぎない存在だということです。もちろん私もそうです。)ぐらいですから当方のような普通人の思考の仕方では限られた時間内で「フリーハンドで書いた図に、脳みそに反応した手がヒントかも知れないメモを書いたり消したり、ときにぶつぶつつぶやいて感情のはけ口にしたりしながら、を繰り返して正解をみつける方法」だけでは無理です。第一、折りもしないで考えるなど普段の生活では絶対にしません。つまりこの問題を手も動かさずに「思考」だけで処理するのは当方はお手上げです。白旗を挙げます。
 できる生徒さんがいるのかー・・・いるだろう。そういう生徒さんはそりゃーすごい!別種の人類の話をしている気分です。
 で、当方は折ってみたのです。以下は説明のための作業ですが、それなりに法則は考えました。その作業は面倒くさくもあり、おもしろくもありました。正確に言うと折りながら少し考えてみ、つい夢中になってしまいましたので、実際はほとんど「折り終わってから開いたり閉じたりして、谷折り山折りチェックはもちろん、どうしてそうなるかを考えた」のです。 結果仕事の合間の3日作業ぐらいにはなってしまいました。  答えは、左から 山山谷山山谷谷(谷)山山谷谷山谷谷 の計15本
  1回目の折り目は1か所。 そしてその折り目は最後まで真ん中にとどまる谷折り。
2回目の折り目は左から折ったせいで開いたときの左側が山折り。右側が谷折りで2か所。
3回目の折り目は1回目の折り目と2回目の折り目の間に入り、全部で4か所。  一番右が谷折りになるので、その上に重なる折り目である一番左は、山。→ここで一つ法則(後の法則3)。真ん中をはさんで左と右の線対称か所は互いに山なら谷、谷なら山。3回折りでは右1番が谷折りなので左1番は山折り。
4回目の折り目は1回目の折り目と2回目と3回目の折り目の間に入り、全部で8か所。すると合計1+2+4+8=15か所の折り目。
開くと、1回目の真ん中の折り目のわきに左右に山と谷が逆になりながらそれぞれ7つずつ配置されて計15の折り目。ふーん。
ここでもう少し分析すると、まず、
法則1 真ん中の折り目(1回折りの結果)は最初に谷と決まり。最後まで変化しない。
法則2 一度折った線は2回目、3回目、4回目・・・と続いても、もう山折りなら山折り、谷折りなら谷折り。その反対には決してならない。これは折り癖がついたら後は変化しないことから日常から来る常識としてわかります。
法則3 真ん中をはさんで左と右の線対称の折り目は互いに右が山なら左は谷、右が谷なら左は山。
 ここまでは開いた状態でながめればすぐわかる。いわば「静的法則」。ところがそれでは、4回折りで真ん中の折り目を中心として例えば左側の7本がなぜ右から順に「谷谷山山谷山山」という不自然な配列になるかは説明できない。
それは、折りながら分かってくる、または開いたり閉じたりして分かってくる「動的法則」に従うからです。
法則4 2回目の折り目は1回目の折り目に対して開いたときには左右に線対称となって見えるのです。     3回目の折り目はその2回目の折り目に対して左右に線対称。・・・以下同様。
法則5 どの回も、その回でできた折り目の一番右の折り目は常に谷折り。従ってそのすぐ左隣は前の回の折り目だから、さら   にその左隣に左右線対称という法則4で山折りの折り目が来る。以下、その前の回の折り目を中心とするから、左にでき   る新しい回の折り目だけで考えれば、順に谷山谷山・・・と交互になる。
法則6 結果、新しい回の折り目は前の回の間に常に割り込んで出来るので、いっぺんに左から右に見ていくと不揃いな印象に   なってしまう。
 以上を応用すると、5回目を折ると、結果8×2=16か所の新しい折り目。左から谷山谷山谷山谷山谷山谷山谷山谷山を前の4回までの15の折り目の間(山 山 谷 山 山 谷 谷 (谷) 山 山 谷 谷 山 谷 谷)に挟み込んでいく。 すると、 山山谷山山谷谷山山山谷谷山谷谷(谷)山山谷山山谷谷谷山山谷谷山谷谷でした。上の法則通りでした。
5回目を折った結果(左からの31か所全部)を全体として一度に見たものです。真ん中を( )でくくりました。
 ですから、もし解答を書くなら、学校発表のさりげない「差し挟みを利用した図」は、なかなか簡にして要を得ている解答だと脱帽しました。こんな風にあっさりと分かる子がいるのかねー・・・いや、いるから出すんだよねー・・・そういう生徒さんを採りたいのだから・・・
 なお、当方が利用したコピー用紙では6回目は山や谷の折り目が判別出来る状態としてはもう折れませんでした。(紙は何回まで折れるか問題ってあるでしょ?イギリスのブリトニー・キャリヴァンさんが特注の1200mあるトイレットペーパーで折って12回までとあります。普通のコピー用紙あたりだとせいぜい7回ぐらいだそう。これも仕上がり度で文句がついたりしますし・・・)
 ではこれにて問1の自分で掘ってしまった大穴から抜け出ます!
 問2 折り方A(紙の左はしを動かないように固定して、長方形の右半分が左半分にぴったりと重なるように折る。ちょうど折り方@の逆)を紹介し、問1の折り方で言うと問1の3回折りは@→@→@にあたる。
 これをAを1回以上交えて折ると@→@→@に当たる折り方と同じ折り目の並び方とは異なる並び方にするためにはどのような順番で折ればよいか。
ここは樹形図での場合わけ。つまり、A @→@→A B @→A→@ C @→A→A D A→@→@ E A→@→A F A→A→@ の6パターンが候補。 A→A→Aは@を使っていないので除外。
 なぜ Aタイプ @→@→Aの折り方だと@→@→@と同じかと言うと、最後にAと折るのは@と折ったのを逆さからしただけなので同じ結果になる動作の一種だから。  すぐわかる違いが出るのは始めの2回の折り方までで@→Aか、A→@か。これだけで最初の左右がもう違う。では、受験生は一つ書けば良いのですから、すぐに決めて解決!結果はB、C、D、E、Fとも異なる並べ方になります。
 問3 (1)今度は上下に折ります。上に合わせるタイプを折り方B、下に合わせるタイプを折り方Cとします。@→B→@のその後に@からCまでのどれかの作業をつけたしたとき、山折り線と谷折り線の数を数える。縦に折った方が楽か、上下に折った方が楽か、ここはちょっと悩みどころですね。人間の目の関係では縦の方が認識しやすくないですか?当方の勝手な思い込みですが・・・どなたか教えて下さると助かります。これはもう脳の構造の問題。
 で、受験生はそんなことはいいからさっさと縦なら縦と決めて考えを進めましょう。
 ところが、実はここで上下に折らなかった人は次の問題(2)のヒントが浮かばない可能性が大なのです。つまり、(1)で上下に折った受験生は、@→B→@までだと差は2だが、今度は差が4となるので上下に折るといいと気がつくのです。ですから、谷折り線と山折り線の数の差が8以上になるというのは10回折る内の全部で4回上下に折ればよいとわかるのでです。
 なぜ上下に4回折ると差が合計8になるかというと、
 説明文の中で上下折りした結果が上下同じ谷でも数え方としては「谷」「谷」で2本に数えるとするのです。するとすでに問1の(2)で調べた、谷折りが1回目の折りで出来た真ん中の1つ分多いという結果が、上下に折ると谷2つですので、8本÷2本=4回上下におればいいということなのですね。
 後日談  授業でこの問題を取り上げてみました。すると、「僕は折った後、上に来る紙は無視して下側だけで考えて見ました」と言うではないですか・・・なーるほど・・・・・・すると右側だけで大分あっさりと考えていけます。またまた脱帽!でした。あー・・・「出来る子」はそういう省略の仕方を頭にすーっと思い浮かべることができるのですね。
個人の趣向でほぼ2年ごとに全都立中10校から選んだリスト内小石川中問題言及版です。
 あくまで脳トレとして、Cタイプ(脳トレの宝庫)の訪問者さん向けに書いています。  当方、パズル系の問題にはあまり興味がわきませんので、取り上げる頻度が少ない点はお許し下さい。
1 小石川中 平成18年 適性3 問題2 適性名物 クイズ問題 縦積み4つの箱を、例として左端から18回で○の位置に!18回ですよ!
 よくマジシャンがプラスチック製のチップを右左に動かして人をだます技がありますが、まあ、それに似た印象のクイズ。といってもこちらはだましたりするのではなく、36人のクラスの生徒全員が楽しむゲーム。結果的に18人ずつ2度にわかれて4つの箱を4か所、または3か所の場所から選んで移動させてまた同じ順に積み上げる。なぜかなぞの「3つの箱でわくが3か所」というヒント表がある。それ以外に、よりヒントらしい「3個の箱でわくが4か所」のヒントもある。どちらにしろ移動回数26回とか19回とかいうとんでもない数字すら書いてある。つまりそんな途方もない回数動かすと答えになるということです。  ここで強調!使わないヒントはない!のです。都立中のこの出題姿勢の典型例。これから始まるクイズ問題の原点です!
2 小石川中 平成19年 適性3 問題2 乾電池のパワーを時計と連動させて計る
 単1から単4までの乾電池の容量を豆電球を光らせる時間を計ることで調べる。一回の実験ではなく何回か実験をした後の実験結果表をもとに調べていない単4乾電池の「もち時間」を予想する。重さで比べるか、体積で比べるかが分かれ目。もう一つ、では時計を使う以外の方法で乾電池の「どれぐらいもつか」を測定する「方法」を書く。これが難しい。案外浮かばない。どうぞ皆さん、楽しんで下さい。良い問題でしょ?
3 小石川中 平成20年 適性2 問題1 琵琶湖の水の全循環(冬から春にかけて起こる表面と深層の水の混合)が史上初めてなかった!
 「3月までに琵琶湖の水の全循環が史上初めてなかった」出来事を載せた新聞記事(平成19年に)きっかけ。暖かい水は上にのぼり、冷たい水は下へおりる。この理由から琵琶湖の水は冬に全循環し、水底に沈んだプランクトンを分解するバクテリアにより酸欠になった水底にも酸素が補給される。それが生き物にとってどのような意味があるかを答える。さらに、水は摂氏4度の時が一番重く、摂氏0度の時より摂氏7度のときの方がまだ重い。その理屈を利用し、プールの水はなぜ表面から凍るのかを説明する。すべてが小学生にとって豆知識、新知識かもしれません。知ったかぶりの大人にとっても実は知識の穴を埋める視点が提示されていておもしろいはず!知っておられた方はすごい。
4 小石川中 2009年(H21)適性3 問題1 光合成で吸収できる二酸化炭素の量の問題
 光合成で吸収できる二酸化炭素の量計算。これは傑作です。前提が正しければ、当方の計算なら、アサガオの葉が15枚で、一日ドライアイスなら1?の半かけら分吸収してくれる。すごいですね!小学生に「科学者への夢」を提供してくれる問題です。
5 小石川中 2010年(H22) 適性2 問題1 スパゲティ4人前を東京とニューヨーク、ロンドン、パリで作ったらいくらになる?
 簡単なスパゲッティ料理を東京・ニューヨーク・ロンドン・パリで作ると材料費・光熱費など全部でいくらになるか?問題。事前の予想はおそらくあたりません。
6 小石川中 2011(H23)適性3 問題1 乳酸菌が倍倍倍・・・で増える!ヨーグルトがあふれかえるか?
 乳酸菌のはたらきの問題です。乳酸菌でどれほどのヨーグルトができるかを概算で求めます。30分で乳酸菌が倍に増えますので、菌1万個が20時間ではどうなるかを問います。ここまでけた数が多くなる問題は小学校ではそうしません!新鮮!
7 小石川中 2013(H25)適性2 問題1 工業製品出荷額の多い都府県15をリストアップ。
 日本の工業がどの県で盛んかを調べる問題。工業製品出荷額の多いベスト15都道府県をリストアップした資料1を見て、東京・愛知・・・と占める割合を計算する小石川名物問題。さらにその結果を5%を境にして塗り分ける問題。塗り分けてから、さらに額の多い都府県の特徴を答える。この計算量の多さは相変わらず。グラフを書いてから先の問題を解く。この手法が当方思うに「適性問題」の良いところです!手を動かして考える!ペーパーテストの限界はありますが、ぜひどんどん取り入れて下さるよう!
8 小石川中 2017(H29)適性2 問題3 世界陸地プールに真水は深さ何mたまるか?/えっ!日本の一人あたり水資源量はそんなに・・・
 すでに世の中の話題になっていますし、桜修館中が平成18年に出題した話題ですので、下準備もできていたでしょうが、そうだとしてもはるかにレベルが高くなっています!地球の水を氷河、地下水、湖水、河川水にわける。それをさらに塩水と淡水に分ける。世界のすぐ使える水は、陸地面積と等しい直方体の容器、つまりプールで深さ何mになるか。もう一つ、日本の年降水量と一人当たり水資源量を確認する問題。計算がなかなかやっかい。思えばこの10年で問題はずいぶん高度化してしまいました!