現在のところ、大泉中問題は理科の生物がユニークでおもしろい!私立中入試問題と類似した算数出題に逃げることなくこの方向性で今後も頑張って下さることを期待しています!
 
 
初稿 2017/8/27 第2稿2017/9/25 第2稿2018/9/17
 都立大泉中 入試問題 勝手に目次
1 大泉中 2010(H22)
    カタクリの一生を科学する。/ナガサキアゲハはどうして分布を年々北上させているのか?
2 大泉中 2011(H23)
    2枚の鏡にろうそくが写る範囲を調べると、意外や意外・・・
3 大泉中 2012(H24)
    電車内にさす窓枠を通したひざしの形から進路を推測する、目標物までの距離問題
4 大泉中 2013(H25)
    アメリカ帰りのおばさんのお迎え計画を作ろう!/シロイヌナズナの突然変異
5 大泉中 2014(H26)
    さいころをたてに3段にして、くるくる回す面倒問題
6 大泉中 B 2015(H27)
    完全数って知ってます?/サイコロ問題の上位変形タイプ!時間さえあれば必ず解ける!
7 大泉中 B 2016(H28)
    スタンプを、さいころを、円柱を、正三角錐を次々に転がす、転がす、転がす、転がす・・・
8 大泉中 B 2017(H29)
    ウキクサの増え方/アルゴリズムに従うといつか答えに!/さいころにテープを巻き続ける!
9 大泉中 B 2018(H30)
    インゲンマメの発芽の際の種皮の役割?えっ?/遊園地の観覧車や謎解きアトラクションで問題。
 
 カタクリの一生を科学する。/ナガサキアゲハはどうして分布を年々北上させているのか? 2017・9・16(土)
2017・9・16(土)
 適性検査2   9問あります。 都立大泉中のデビュー年の問題です。
 1   学校近くの森でみつけたカタクリの花をきっかけにした問題。
 問1   理科  カタクリは常緑樹の下ではあまり育たない。落葉樹の下で多く育つ。その理由を資料1・2・3などから説明する。木の下の明るさが50〜60%のときカタクリは良く育っている。落葉樹は11月下旬から4月中旬ぐらいまでが枝だけの状態。カタクリは6月から3月上旬ぐらいまで球根。発芽し、開花し、葉が枯れるまでは3月初旬から6月上旬ぐらいまで。何と活動期は3ヶ月と少し。この短い間に発芽から球根までやってのける短い活動期。へーですね。
 問3でカタクリはその種をアリに運ばせるそう。そのために種にはエライオソームというアリにとっての栄養が含まれている部分があるのだそう。このおかげで草や石にかくれていてもアリに見つけられるそう。うまくできていますねー。そこでこのエライオソームの特徴は何かを考えて書き、その考えを確かめる方法を説明する。
 2    段取り問題。文自体からしてちょっと長いです。学習発表会の作品展示の計画を練る問題。何通りもの解答があります。面倒です。おもしろくもないです。
   
 3   理科 
 問1 九州地方にしかいなかったナガサキアゲハの分布の北上の地図。あー、本当に地球は温暖化していると直感できる図ですので、私たちは大人も含めてこの地図で結論づけてしまいたがりますが、質問を仕切っているお父さんにいわせると、生息条件は気温だけではないのでこの地図だけでは地球が温暖化しているとは結論できない。となります。さすが、その通り・・・そこで第2の地図、カエデの紅葉日の等期日線図を紹介し、地球温暖化の影響を受けているといえるかどうかを問う。ところがこの地図は1961〜1990年の平均ではあっても過去と現在を比べているわけではないので、カエデが温暖化の影響を受けているとはいえない。ではカエデの紅葉日についてのどのような資料がさらにあればいいのか?
 問2 次に練馬区の1985年から2008年までの平均気温の表を示し、最近暖かくなったかを調べる。これは単年度だと気温の高い年も低い年もあるので、連続した5年間の平均気温でグラフをかく方法で作った表をさらに提示。この表をもとにしてもとのでこぼこした年度ごとの平均気温図をなめらかな比較しやすいグラフに書き直す問題。この手法はいいですねー。毎年集中豪雨や異常高温、異常気象変化が続く最近の統計グラフにはうってつけです。最後にウンシュウミカンの栽培適温地の移動予測図を紹介し、ウンシュウミカンの栽培にどのようなことが(今後)起こると考えられるかを答える。
 
 2枚の鏡にろうそくが写る範囲を調べると、意外や意外・・・
2017・5・17(水)
 適性検査2   8問あります。
 1  
 問1  算 厚くて硬い紙を6枚用意して、骸骨(がいこつ)ロボットの腕と肩の関係のような装置を作り、それを動かす問題。不安定に動いてしまう気がしてしかたなく、あれ?どう動くかなー・・・初見では判断がつかない。脳内感覚が最初働かないタイプでした。こういうときは暇なら作るという手もありますが、本文に10pの数字が2度繰り返されているのがあやしい。さて・・・と考えるとしばらくして、理屈脳が、あー四角形CDBAはひし形、左のEとFもつなげば四角形EFDCもひし形。すると左のひし形と右のひし形は連動するからEFが縦に垂直なら、CDも垂直、するとABも垂直にしか動かない・・・わかった!となる予定です。
 問2  算  1+2+4+8・・・+□ の□を自分で決め、その後、合計を足すのではない違うタイプの式にして合計を求めるという問題。要するに公式を作ってその後自分で□を決めて答えを出すという一連の作業問題。これは完全な算数。
 2  
 問1  理  2枚の鏡に写る像の問題。左の鏡が長く、右の鏡が短いせいで、鏡の見える範囲が左右対称でなく、いい感じで微妙さが残る良い問題。書いてみて初めて右の鏡に近いところに両方は見えない地帯があることに気づく。結果、見える地帯が不等辺四角形。何となくの事前の思い込みイメージとは違う、予想外の答えになる。私には新知見でした。
 問2  算 この問題は良い問題だと思いました。算数の食塩水の問題をほんの少しひねったわけですが、よくある私立中入試のような濃度%を聞くのではなく、そこを飛ばしてもう一歩先、つまりグラフを書く問題に仕立てたのです。ステロタイプ化しすぎた私立中入試の食塩水問題では出題されない、グラフを作成するといういいアイディア!ついでに書くと、これは反比例グラフではなく、その発展形の分数関数グラフ。だからy軸に付いた点からスタートしたグラフになる。こういうところが豆知識として楽しめますね。
 問3  理 砂糖シロップと植物油と水とアルコールの密度または浮力の問題。結果は左記の順に密度の大きい液体から入れればいいのですが、むしろこの問題の危険さは「理科実験に即した」入れ方を記述することの方。ガラス棒は必ず使用。もう一つ、容器はメスシリンダーの方が正確さが確保できるのでビーカーよりはメスシリンダーを利用しましょう。
 3  
 問1  社  資料1と2はおもしろいグラフ。きっと専門用語があるのでしょうが、寡聞にして知りません。このグラフで、変数が縦横二つと、その二つを掛け算した結果の3つ目の「全体額や全体カロリーに対する国内のパーセンテージ」が分かる。私には新知見。これで、畜産や魚介類が金額の割には案外カロリーに反映していないことや、米がその逆になっていることを知ることが出来ます。良い問題ですね。
 電車内にさす窓枠を通したひざしの形から進路を推測する、目標物までの距離問題 
2016・9・14(水)
 適性検査2   8問あります。
 1   (ストローで立体図形、整数で三角形(ピタゴラス数)問題) →1・2とも算数
 問1  算  かた方のはしがつながっていないストローは2本以内という注記に気を付けましょう。当方最初に書いたのは底面が三角形でした。あわてて消して考えましたが、たぶん気が動転しているとこんな初歩的な思い込みもしてしまうのでしょうね。一つ解答が見つかればすぐ次に!の典型問題。
 問2  算  中学生で習うピタゴラス数である 3:4:5 5:12:13 8:15:17 20:21:29 が、まず最初の手がかり。それぞれの整数倍も含めるから何通りも解答がでます。まず一番大きい数字が斜辺にならざるを得ないので、2番目の数字か3番目の数字かが同じになる組み合わせ同士を横に並べればいいと気づきましょう。候補が見つかったら面積計算。200?〜400?の確認。
 2   (紙の利用・製紙会社の工夫・エアコン・冷蔵庫・冷凍庫の再利用とグラフ問題)では →1は社会、2は算数、3は総合
 問1   社 資料1を見ると、古紙使用率、古紙回収率ともずいぶんがんばっているのですね。またよけいな感想ですが・・・
 問2   算  都立中恒例の小数割り算計算問題。100%にならないときは最大%の統計値で修正するという考え、基本でしたね。ここでは小数割り算が10回もあり、ちょっと出し過ぎですよね。単純な計算は2〜3題がいいところでしょう。そろばん能力を調べているのではないと思うのです!これは皆さんで一緒にブーイングしませんか?
 問3   総合  レジ袋の有料化の問題。気をつけるのは資料5、6、7にある数値を使うことです。自説はいらないのです。
 3   電車内にさす窓枠を通したひざしの形から進路を推測する、目標物までの距離問題
 問1   理・算  3月下旬という部分から春分に近いとわかる。朝、6:30だから最初は真東から太陽が昇る。資料1でよく見ると左上に「ドア側」とある。ここまで理解するのに時間がかかりました。日光の明るい日差しのせいで車内に差している6枚の窓わく型の日差しは、一セットではないことに気づいて下さい。つまり、初めの3枚と後の3枚でやや違う動きをしていることに気づきましょう。そうでないとこの電車はまっすぐに進んでいるのだと勘違いしてしまいます。けっこう確定するのに迷います。勝手にまごまご問題に認定。
 問2   算 文章の意味がわかれば、この問題は速さと相似な三角形の辺どうしの比の関係の算数だと気づきます。相似は小学校では習わない範囲、私立中受験問題集で例えば四谷大塚問題集では習う範囲。アならまず速さ×時間で 12m/秒×6秒=72m □:72=3:2より □=108m となります。このアイデア結構日常生活に使えそうですが、おしむらくは速さは乗客にはわからないという点ですかねー。携帯スピードメーターというアイテムはGPS機能を使ってすでにスマホにあります。すると使えますね。ですが、GPSがあるなら、もっといえばグーグルマップが使えるのならこの問題不要!ですね。あれあれ!H26富士中でこれの音タイプがでています。
 問3   算・トピックス なるほど、大泉中は平成24年(2012)の金かん日食が起こる前にこういう理科のトピックス問題を出したわけです。こういう傾向は入試問題には多いのです。言わずもがなですが、普段からニュースに触れましょうね。(ストローで立体図形、整数で三角形(ピタゴラス数)問題) →1・2とも算数  
 アメリカ帰りのおばさんのお迎え計画を作ろう!/シロイヌナズナの突然変異
2017・9・13(水)
 適性検査2    8問あります。 大問3題中2題がパズル。多すぎです。
 1    ひねりサイコロ問題。 典型的なパズル問題。
 問1 算  初めの方の文章で、父が 「上下の箱をあわせた正方形の面の●の数が偶数のときは・・・」という文の文意がわからず、しばらく時間を浪費しました。いまもってはてなですが、先に進めればまあ、質問はわかります。都立中の質問文は、とにかく長い説明で問題世界に導入するので、ときどき意味がつかめないことがあります。後から読み直すとああ、そういうことかと納得するのですが、一度勘違いが始まるとどうしても抜け出せない。大人でもそうですから、生徒さんたちはもっとそうでしょうね。
 このタイプの問題は「とにかく始めましょう」。たろう、上まずADEが候補。横の段が1と3、それで上段がEと決定する。下段もすぐにBとCにしぼられ、差が3というヒントでBに決定。
 2   これまた、典型的なパズル問題。2題も出します?
 問1・2  算 枝分かれ線がある問題はたしか、初期の西日本問題に良く出ていました。地域の特性で、鉄道やバスが交通手段として多用され、枝線が結構あるのでしょう。なつかしかったです。ただし問題は面倒です。ダイヤグラムの読み取りは色鉛筆を利用したいですね。テスト会場では不正防止のため使えないのがもどかしい。 問題2では、いつも申します、まずざっくりと2分割、一番早く着く方法、きっとFに寄ってからK駅に戻るのだろう、ダイヤグラムが混んでいる線の方が早いだろうとおおざっぱに判断し、スタートしてしまいましょう。本当に残念ですが、「45分問題は拙速がいい」のですから。
 3    理科 植物の基本的な花のつくりの説明。植物はいかにして、がく、花びら、おしべ、めしべに分化するかの説明。これは興味深かったです。良問。
 問1・2  算 植物の基本的な花のつくりの図示として、シロイヌナズナの花の断面モデル図が紹介され、がく、おしべ、めしべの分化する要因として、A、B、Cが紹介されている。このどれかを取り除くとどういう分化が進むかが質問。Bの要因が失われると、驚いたことに、花びらとおしべのない、めしべ3つとがく4つだけの花(?)になる。Aの要因が失われると、花びらとがくがない、めしべ3つおしべ4つの花(?)になる。へー妙な図柄になることにも驚きですが、これがおそらく最新生物学の知見なのでしょう。将来が楽しみです。
 問2 はけんび鏡の置き場所、使い方を具体的に説明する問題。理科部大活躍。というか、実際にけんび鏡を使っていないとできませんね。
 
 さいころをたてに3段にして、くるくる回す面倒問題
2017・1・28(水)
 適性検査2   8問あります。
 1  
 問1 算 包み紙の線対称・点対称風な模様10種を異なる分け方で3分類する問題。曲線だけ、曲線と直線、直線だけの3分類でだいじょうぶです。容易。
 問2 算 半径5cmの円柱の表面積を求める。容易。オーソドックスすぎて無意味な問題。
 問3 算 半円の周の長さと正六角形の周の長さの比較なのだが、正六角形の方は周の長さプラス5cm。図をよく見ないとうっかりミスをしそうです。
 2  
 問1 理    台風が通過する前と通過した後での海面の水温変化。容易。
 問2 社・総合  旧暦を新暦に切り替える話。豆知識として興味深いです。できますよ。
 問3 社・理・算  旧暦の一刻は夏と冬でどちらが何分長いか。旧暦の説明が豆知識として紹介されています。計算問題としては普通です。
   
 3  
 問1  算  さいころを使った最小公倍数と最大公約数の問題。
 問2  算  問1に続く問題。
 問3  算  分類分けが9通り。一つ一つするしかないようですね。うまく早くみつかることを祈ります。  
 完全数って知ってます?/サイコロ問題の上位変形タイプ!時間さえあれば必ず解ける!
2017・9・24(水)
 適性検査2   8問あります。
 1  
 問1 理科 クモやダンゴムシに比べての、こん虫の体の特ちょうを一つ答える。
 問2 始発駅から終着駅までの距離50kmを各駅停車の電車は1時間15分、急行は50分で進む。時間ときょりの関係をグラフに表す。まあその2本のグラフから分かることがある。説明しろ。この問題おそらく簡単過ぎるので解答にとまどうというタイプの問題です。模範解答を見ますと、例として「速さの違いがわかる」だそうです。なーんだ、それでいいのか・・・だったら聞かなくてもいい問題?いえいえ、一見簡単なことには本質が宿っているのです。逆にとても重要な指摘だと考えて行きましょう。横(X)軸が時間で縦(Y))軸が距離のグラフから、「直線の視覚が速さをイメージ化したもの」、もっと簡単にいうと直線の傾き方が速さが速い、遅いをイメージしているのです。時間、速さ、距離のグラフ化は、これから始まる中学高校数学の基本テーマそのもの。
 問3 午後4時30分から午後5時の間に学園駅に戻るためには水族館前駅を何時に出れば良いのか。普通の速さと時間と距離の問題。面倒さも普通の小学校レベル。各駅停車の電車の速さのところで、分速3分の2kmとださざるをえませんので、どうしても分数の割り算処理がでます。仕方ないのですが、当方がかってに決めつけている都立中の越境範囲かも・・・
   2    問5はサイコロ問題の上位変形タイプ。おもしろいかもしれませんが、時間かかりすぎます。
 問1 算数 豆知識といえば豆知識。もちろん小学生が知る必要ありません。はっきりいいます。出す方が悪い!数学の始祖、ユークリッドが命名した、「完全数」というのだそうです。たいていの生徒さんは、素数(この概念自体受験する生徒さんは皆知っていますが、小学生用教科書では習いません)の連想で28の近所の数だろうという推理で試すはずです。ところが「ない」のです!といって、「ない」理屈もみつからない!ですので、失敗者続出だったでしょう。案外腰をすえて2ぐらいから順次始めた生徒さんが6をみつけましたね。そして、驚いたことに3個目は496だそうですよ。496を見つけるのは無理!
 ですから、この問題、アイディアはいいのですが、生徒さん泣かせ問題!きっとどの中学も出す候補にしてはいたけれど、「出題の仕方」で迷い、今まで出していなかったのでしょうね。そして大泉中が出してしまったので、今後、出せなくなりました。豆知識のつらいところ!今にどこかの塾が『知っておこう!入試に役立つ算数のおもしろ公式集』にいれますね。
 完全数は始めから 6、28,496,8128,33550336,8589869056,137438691328・・・で2017年9月現在全部で49個みつかっているそうです。こんなこと書いている(2017/9/27)うちに50個目もみつかっているかもしれません。円周率や素数の探求と同じグループの、「もはやコンピューターでしか解けない」分野なのですね。
 問2 10+5+3+0のようなことを調べる。あれ、これでもう解答になっていますね!さっきの問題の逆体験です。一つ書けばよいのですからおしまい。
 問3 この問題も案外難しい。最初のアイディア、10+5+3=18点。23点-18=5点で、4つの矢は3点、5点、5点、10点ということまではすぐに分かります。その後の微修正に時間がかかるのです。きっとうまくいかなかった生徒さん、続出でしたでしょう。同じ円の中に縦にまっすぐに2つ。しかも、となりの、より小さい円(10点のところ)とも横にまっすぐというのが難しさのもとなのでした。
 問4 動いている正三角形の的にあてた6つの矢(6つとも記号がすべて違う)の位置を解答欄に書き込む。質問では「矢の位置」を「正確な位置」に記入することと注意書きがあります。当方など、今までのくせで、「向き」も聞いているとかってに解釈して苦労を増やしてしまいましたが、それは取り越し苦労でした。位置だけでした。あわてなければ全員できますよ。 
 問5 難しい!
  @ まず問題文の文意を把握するのに時間がかかります。
  A 与えられた図10と図11を比較して、見えない面が一面あることを確認する(図10の左裏)のにも時間がかかります。
  B 理屈で攻める場合、まずこの立方体に上左手前から反時計回りに順にABCD、下も同様にEFGHの記号をつけましょう。
すると解答欄のこれから書くべき6面目(図10の左裏)がADHEの面とわかります。
  C 解答欄のどこに6面目を書くのかですが、普通に左から2番目の正方形の上でまず考えましょう。困ったときは「王道を進む!」しかアドバイスなどありません。当方、奇策は苦手タイプ。で、書き加えた正方形を四分割し、一度ストップ。
  D 次にどの記号が残っているかを調べないといけません。○◎●□■☆の6つを数える(時間かかりますよ)と残っているのが、◯一つ、●一つ、■二つとわかります。
  E この○●■■の4つを面ADHEにを入れ初めます。具体的には組み合わせを調べます。そこから規則1,2,3でだめになるパターンをカットしていきます。最初の規則@違反はすぐわかります。左上に●や、左下に◯の場合です。
  F するとあと残る組み合わせは全部で5種類。
  G 残りの規則AとBを当てはめてカットし続けると、最後に残るのは左上■、右上■、左下●、右下◯となります。
 これで理屈で解く方法の一例が終わりです。まあ、初見ではおそらく20分、へたをすると30分かかると思います。面問認定です。45分のテスト時間で一問にこんなに粘れる時間があるわけないでしょ!解き終わってみると爽快感がある。あーおもしろかった!良い問題ですが、無茶!
 スタンプを、さいころを、円柱を、正三角錐を次々転がす、転がす、転がす、転がす・・・
2017・10・8(日)
 適性検査3    8問あります。どういう問題かの最初のイメージが、「声の教育社の模範解答が3ページある」です。特に大問2の算数5題がどれも時間がかかる問題で、正直これを45分枠で解かせる方が無理というもの!
 1    理・算 
 問1・2 理科のてんびんばかりの問題です。最も、てんびんばかりの問題は理科ということになっているけれど、実質算数の「天秤算」だよ、と生徒さんにはいつも伝えています。最初の2題は解けます。
 問3 この問題はそもそもの題意を把握するのに時間がかかります。そして驚いたことに、模範解答が、「〜の真ん中と〜の真ん中の間に、クリップを付ける。」というずいぶんぼやけた解答なこと。「間のさらにどこ」かは書かなくても正解らしいのです。確かに、解答欄もそれ以上しつこく書くスペースがありません。本当はもう少し詳しく、「土台の板の上側の辺の右端から〜cmのところ」まで出せないことはないのですが、そこまでを要求していないのです。めずらしい。こういう判断は生徒さんにはできません。あきらめないで書こうとした生徒さんがかわいそうです。
 2    算 
 問1 スタンプを5つ用意し、順に押すときれいで複雑なスタンプ模様ができる。そのうち4つまで紹介し、5つ目を自分でスタンプ作りする。スピードを落として丁寧に書いていけば必ず書けるだけにつらい問題。
 問2 問1と似た思考問題。さらに面倒。
 問3 「ほる面を円柱の側面にした」問題。文意の意味確認をしたら、
 
  @ まず解答欄に図9から「ABCDを書き込み、
  A 次に点線がどこからどこへつながっているかを調べ、書く。
  B 黒の正八角形の部分を書く。
  C 正八角形の面積を二等辺三角形4つと正方形1つにでも分けて計算する。
 問4 さいころにO、I、Z、U、M、Iの6つの数字を書き込み、向きにも気をつけて解答欄の見取り図の3つの面に記入する。これが最初の予想より面倒なのです。理由
  @ Zは点対称な文字、気をつけないと逆さになる。 
  A I(アイ)が二つある。
  B 転がしていくので、目視ではとても解決できない。以上から、当方程度の頭では、もとの図11の見取り図にA、B,C,D・・・と記号をあて、それを見ながら図12に転記していき・・・という時間のかかる確実手法を採用するよりなくなります。確実手法はできるのですが、時間がかかりすぎです。
 問5 問4の考え方の正三角錐にほられた1,2,3,4の数字を図17を見て、図18の○、▲、●、◎、☆の印欄に記入する問題。この問題もまず題意の把握に時間がかかりました。数字と記号の、特に記号が何を意味しているのかがわからなかったのです。なーんだ、記号(デザインの絵のほう)はただ場所を示すために使われているだけなのだ!とわかるまでに無駄な時間が過ぎました。その後の本題解きにもかなりの時間を費やしました。この問題、45分では無理、無理!
ウキクサの増え方/アルゴリズムに従うといつか答えに!/さいころにテープを巻き続ける! 
2017・10・21(土)
 適性検査3    7問あります。理科、算数、算数です。
 1  
 増やす実験です。どちらの場合も3日ごと、全18日で調べます。すると、横軸を日数、縦軸をウキクサの数とするグラフを書くのが質問。結果、おもしろいグラフが残ります。
 問2 は、そのグラフをもとにして、増える割合を調べる。その際の計算式を「前回の測定日のウキクサの数」を○、「測定日のウキクサの数」を□で表すとき、「実験期間のウキクサの増える割合」を求める式を○□を使って一つの式で書く。「増える割合」という表現に気がつかないと、□÷○×100という式にしてしまいます。
 問3 ウキクサが240個から増えなくなる原因は何かについて、あなたの考えを書く。その原因を確かめる実験を一つ考え、その結果も予測して具体的な数値を示して書く。これは案外時間がかかるかもしれません。  
 2  
 問1  算 アルゴリズム(ある問題の答えを導き出すための計算方法や、処理をする手順のこと)の表し方を紹介し、アルゴリズム1で「二つの数の最大公約数を求める方法」を紹介する。次にアルゴリズム2で「ある数を1にしなさい」という問題の方法を紹介。その方法で7回操作をすると21が1になる。では、21と同じ方法で7回の操作で1になる1から20までの数を一つ答える。
 7回もかかって1になるのは例題の21と同じように途中まで掛け算が入り、もたもたしないとならないので、まず、奇数、それも3倍して1たしたときにもまた2でわってすぐ奇数がでないと7回ももたない。ですから、案外小さい数かな?というような推理が働くとうまくいきます。ただし、解き始めてみると、大きい数でもOKがあります。予想は裏切られる。
 問2 自動販売機の仕組みをアルゴリズム3で紹介し、埋まっていない空欄を埋める。いずれ出るだろう問題が都立中では大泉中で初お目見え!
 問3 小さな正三角形、小さな正方形、小さな正六角形をそれぞれ各辺を2倍してできた頂点を結び、また新しく、正三角形、正方形、正六角形を作っていく操作を2回繰り返した図が紹介されます。その図で最初の図形と最後の図形を比べ最後の図形は最初の何倍の面積になったかを3つのどれかで答える。アイディアそのものが私立中入試勉強の有名な問題。
 問4 さいころにさいころの各辺の3分の1の幅のテープを斜めにはり、スタート地点に戻るまでのテープの形を展開図に書き込む。大変おもしろい問題ですが、時間はとてもかかります。これも今年(平成29年)の富士中問題と同じ、元サイコロ問題。発展形の一つ。
 
インゲンマメの発芽の際の種皮の役割?えっ?/遊園地の観覧車や謎解きアトラクションで問題。 
2018・9・18(月)
適性検査V(3) 9問あります。理科、算数です。
1  
 問1 理 インゲンマメの種子の発芽を調べる問題。発芽に水・温度・光がどのように関係するかの実験1。もう一つ、インゲンマメのどの部分が発芽にどのような影響を与えるかを調べる実験2の問題。答えは学校発表は「@の部分があること」だそうです。質問が「実験2の結果から一つ答える」ですから、これでいいのでしょうが、何か、不自然な答えですね。素直に考えれば「@、A、Bの部分がすべてあること」ではないでしょうか・・・発芽の定義を「根が出て子葉が開いたとき」と問題自体でしているのですから・・・
 ここからは、おまけで、教科書的知識では@は「はいじく」、Aは子葉、Bはおそらく「種皮の一部」でしょう。種皮の一部がないと子葉はひらかないのですねー・・・ここでの実験では表6Bを取り除くと根は出るが、子葉は開かない。ふーん・・・なぜかなー・・・この疑問は問3で質問の一部になっていました。
 問2 は、表7をグラフに転記する問題。表の数字関係は、もとにする量30個の約数しか出ていませんので、%にする計算は苦労しません。簡単です。模範解答は25℃と15℃の場合しか書いてありませんが、もちろん12℃のグラフでもいいのです。
 問3 先ほどの問1でひっかかるBの役割が実験5と表8を知ることにより解決します。どうやら種皮の一部は子葉にあるデンプンをなくす、または移動させる?こととわかります。「へー」でしたし、そう判断して答えないと点になりません。半信半疑のままそういう結論を出さざるを得ない・・・けっこうきついかも。インターネットで調べましたが、種皮の役割は「内部を保護すること」しか書いてありません。どうやらさらに一歩先の学問レベルのようです。知りたいですねー・・・楽しみですねー・・・
2  
 問1 算 観覧車に乗る問題。観覧車のゴンドラが12ある。前に13人並んでいると乗る可能性のないゴンドラの記号を一つ答える。答えは2つあります。都立中の解答は複数あるというお約束通り。
 問2 ゴンドラの上がり方の違いを正三角形の斜辺と二等分した底辺の関係で説明する問題。この学校を受けるような生徒さんにとってはただの知識問題ですね。
 問3 問4 サイコロをマス目上で転がす問題。まあ、パチンコゲーム(コリントゲーム)の一種。それだけ。当方はこういう問題はよくないとずーっと主張しているのです。ご存知ですね。こんな「適性問題」はいりません!
 問5 立方体を材料にして前面に点があれば、それに向かい合う背面には点を打たない等の条件を挙げてその上で打てる点を展開図に書く。結局立体図形の問題。
 問6 12のゴンドラすべての数字が異なり、隣り合う3つのゴンドラの数字の和が22以下になるように数字を書き込む。数の組み合わせの問題。これも、「すばやい判断が出来る子を採りたい」という大泉中の意思が感じられる問題。どうなんでしょう?こういう練習・訓練に意味があります?だから「適性問題」ですか?この種の選別方法には違和感あるのみです。
個人の趣向でほぼ2年ごとに全都立中10校から選んだリスト内武蔵中問題言及版です。
 あくまで脳トレとして、Cタイプ(脳トレの宝庫)の訪問者さん向けに書いています。
 当方、パズル系の問題にはあまり興味がわきませんので、取り上げる頻度が少ない点はお許し下さい。
  2018・9・21(金)
  1 大泉中  2011(H23)適性2 問題2 食塩水の濃度の問題なのですが、濃度の変化をグラフにする
 食塩水の濃度の問題なのですが、濃度の変化をグラフにするのです。私立中入試のステロタイプ問題のその先までさせるのです。ここですよ!いかにも適性問題という問題。書き上げたグラフも微妙に反比例グラフとは異なるグラフになる。いいぞー!
2 大泉中 2017(H29) 適性3 問題2 さいころにテープを巻き続ける!
 サイコロ問題も進化したものです!サイコロの一辺の3等分の幅のテープをサイコロの一か所をスタート地点にして、元に戻るまで斜めに巻いていくのです。難しくはないのですが、途中からわけがわからなくなるのです。理由は簡単で、テープがたどる跡は、何と12面あるのです。一枚の絵でそんなに長く「立体図形のあちらへ行き、こちらへ戻り、またあちら・・・」をイメージ化することは普通はできないのです。ですから、どう上手に分解して手早く展開図に書けるか、そもそも全部で45分しかないのに間違えることなくそんなことができるか!大泉中さん、できないでしょう!当方はできません!ですが、時間無制限ならおもしろい問題でもあるので今回はあえて10問に拾いました!
初稿脱稿  2017/10/3(火)