![]() 初稿 2017/8/27 第二稿2017/9/25 第三稿2018/9/17
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都立中適性検査問題(国語を除く)の45分換算での累積出題数は、当方の計算では、平成30年までで117セットあります!(10ある試行問題は除外。)
毎年、共同問題で2セット、適性3の独自問題で4と3分の2セット、適性2の大問一つの独自問題で4校あわせて3分の4セットとして計算すると、平成27年で従来の計算の仕方に換算すると8セット新出問題を出した計算になります。適性2の大問の一つはどの中学も中身が濃いので、少しおおげさに言いますと10セット近くを都内の10校で出し続けているわけです。
平成26年までは毎年12セットの出題でしたから、若干減ったというぐらいで、当初相当減ると予想されたほどではなかったのです。しかも平成30年からは白鴎中の適性V問題が増えて約9セット化!昔に迫まりそうになりました。過去問蓄積の増加数は予想外の多さで進行しているのです。
しかも、算数を中心として内容は濃くなっている。もう一つ、都立中どうしの間に、難易度の上下関係を構築しようとしている、つまり問題からの階層化を進めているとしか思えません。
45分問題に換算しますと
平成 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 総計
1 5 5 7 7 12 12 12 12 12 7.7 7.7 7.7 8.7 117
どうやら平成28年中に100(累計100.67)セットを越したと判断できます。
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平成30年の問題の検証をしました。
全部で9題。都立中10校のうちの5校が問1か問2を差し替えるという半端なことを今年もしました。これは表から見ると本当に妙なシステムで、差し替えられたもとの問題だけをさせられる立川国際、南多摩の受験生は、憮然としながら受けたことでしょう。
今年の共同問題は質問態度があっさりとしていて、45分で9題。九段中(こちらは地元愛が濃い)の出題傾向と雰囲気が似ていると言えばよい問題群でした。以前にも書きましたが、これぐらいが適性問題の王道でしょう。今年度(2019年2月3日受験生)も傾向は同じです。
算数特化校(三鷹・桜修館・富士・両国)受験の方はどうぞしつこさに負けずに合格を目指して下さい!いわゆる御三家を受ける方は、両国中のねばーる君問題。武蔵中の地味な学問発掘問題、小石川の文系理系とも無理筋難問に全力でぶつかって下さい!時間はどうせたりないのですから!
脱稿 2018/10/4(木)
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平成29年までの問題の検証をしました。
平成27年から共同作成問題を基本にして、
@ 適性問題をそのまま出す中学が白鴎、立川国際、南多摩の3校。だいじょうぶでしょうか。作文の独自問題では理科系好きは集められないのに。
A 適性AのA番を差し替え、さらに適性3という45分(一部30分)問題を追加する学校が、小石川、武蔵の2校。実質、独自問題出題時とそう変わりません。この13年で確立した都立中ヒエラルキーの頂点を維持しようとしている感がありあり。
B 適性3という独自問題を追加する学校が、両国(30分)、大泉(45分)、富士(30分)の3校。どの学校も結局算数の難題をここで扱っています。来年から白鴎中もこのタイプ化。
C 適性2の@を差し替える中学が桜修館、三鷹の2校。@の差し替えで実質 算数ばかりを厚く、濃くすることになっています。追加内容はゆるキャラのコスチュームをかぶった私立中入試問題です。
こうなると共同問題だけだと他校に置いて行かれる感があるのか、白鴎中は平成30年から独自問題3を出します。すると後の立川国際と南多摩はどうするのでしょうか・・・(27年9月現在です。)
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書き始め 2017/9/24(日) 初稿脱稿 2017/10/26(木)
二稿脱稿 2017/11/17(金) 三稿脱稿 2018/9/17(月)
1 共同問題 2015(H27) バナナの値段と給料の平均額の関連性。水から飛び出す際のイルカの形に意味がある?
2 共同問題 2016(H28) 渋滞の理由を簡単化してシミュレーションしてみる/アゲハのさなぎの色は緑?茶?
3 共同問題 2017(H29) 16個構成正三角形群の辺の数/グラフの縦軸の単位に「時間」が使われているなんて!
4 共同問題 2018(H30) 前のオリンピックのころの日本の人口と各地域生産額/花粉の数え方/黄砂はなぜ春によく発生するか?
![]() バナナの値段と給料の平均額の関連性。水から飛び出す際のイルカの形に意味がある?初稿
2017/8/27 第二稿2017/9/25 第三稿2018/9/17
適性検査U 8問あります。
1 全都共通問題 うるう年の問題
問1 算 恒例の下二桁が4の倍数か、00になればいいので、いろいろたくさんあります。
問2 算 地球のうるう年の計算をしたことがある生徒さんなら、一応とっかかれます。2015.4日−2015=0.4日。0.4×2=0.8日→2年に1回1日増やせば2年での誤差は0.2日になる。それでも半端があるから、1日÷(0.2÷2)=10年で、10年に1回増やさない年(うるう年ではなくする)を作ればいい。
問3 理・算 火星の1年を火星の1日で数える問題。地球の1日=1440分。火星の1日=1480分 したがって 地球での日数の数え方→1440分×687日=1480分×□日 ←火星での日数の数え方
計算すると668.43日だから、小数第二位を四捨五入して、668.4日。小数の割り算問題
2
全都共通問題
問1 算・社 1964年、1989年、2009年の変化を調べると日本の総人口の変化に対して、世代別人口の割合はどのように変化したか。ある意味「またか」の問題。 小数の割り算問題
問2 社 1964年から2009年までのバナナの値段の変化の表から、バナナの値段は、1年あたりの給料の平均額の変化の表と比べてどのように変化しているか。という問題。細かい差違は気にせず、バナナなら大きくは同じ傾向にあり、みかんは横ばいなことを説明するといいですね。そして、へー、バナナかー。良い統計グラフをみつけたなーと思いました。みかんは卵と似た指標だったのですね。同じ年の九段中の問題に消しゴムを指標にした問題があります。585品目にみかんやバナナはあるのでしょうか?・・・はい、自分で調べます!
問3 社・算 東京からロンドンやメキシコシティーまでの距離を地図と地球儀を使って測る問題。地図は丸い地球を平面にしているから誤差が出て当たり前。一方地球儀は球面のままだから誤差は少ないことを書けばよい。容易。
3 全都共通問題 水からものが飛び出す様子を調べる問題。
問1 算社 統計を出すときの誤差の処理の問題。8回の実験のうち2回目と7回目は飛び出した球の様子が明らかに違うので、例外として統計の数にいれないのが普通。 小数の割り算問題
問2 理 予想と実際の結果の食い違いを説明する問題。 深さ10cmまでは予想と同じだが、10cmより深くなると逆に飛び出す高さが低くなる。
問3 算 水面より高く飛び出す立体を調べる問題。6つのタイプの立体で実験。深さ0cmのとき逆円すい形が第一、球が第二に飛び抜けて良く飛び出している。深さ20cmのときは球形が飛び抜けて飛び出している。なるほど。円すいと逆円すいがそれに続く。では、GとHが候補になるが、Gは円すいなので向きが逆さでだめ。逆円すいプラス球の下半分がベストと判断できるはず。それと、半分冗談ですが、Hの形は、問3の冒頭で、導入会話に出ている「水族館のイルカ」に似ていると言えば似ています。つまりイメージは「イルカのジャンプ」です! 良い問題と思いました。
![]() 渋滞の理由を簡単化してシミュレーションしてみる/アゲハのさなぎの色は緑?茶?
2016・10・5(水)
適性検査U 9問あります。
1 共同問題 渋滞発生の理由を調べると!
問1 算 車が渋滞することを考える問題。追い越しができない正方形を数珠つなぎ直線にした道を左から右に3台の車がたて一列で進む。先頭のA車は常にひとますずつしか進まない(つまり遅い)。後から進むB車、C車は最大3ます進む(すぐAに追いつく)。これを繰り返して何回目で3台とも11ます目以降に来られるかという問題。
いやー、もしこれで渋滞の起こる法則が説明できるのならすごいじゃないですか!最大3ます進めますので、初めのうちはいろいろな動きができますが、すぐにつまります。後はワンパターンの動き(繰り返し)しかできません。のろのろ渋滞ですね。1回目と2回目の図が書いてあり、1回目からもうBがつまってしまいましたので、後は簡単です。7回。後半の問題は、わかってみれば、10マス目までにAの後ろにB、そのすぐ後ろにCが来ていればよいので、Bは一度に2以上、同時にCも2以上。
これ、正解できるの?正解するためのアイデアの方向は、つぶやき風に書くと。「まあ、多めにしよう。とりあえずBもCも3はだめだから、B2、C3で始めてみよう!問題文の図1を借用すれば何とか7回でゴールできる!」まで推測できますね。他にもB3、C2。B2,C2の計3種類の正解がみつかります。
問2 算 前の車のすぐ後ろにつくと1回休み(つまり渋滞)というルールを付け足す。なるほど本物の渋滞に近づくわけです。まず答えの可能性はB×Cで3×3=9通りだが、B1C1は除かれるので、計8通り。いつものことですが、受験生の方はこのうち1通り選んでシミレーションすればいいだけ。利発な受験生は、なぜB1C1を除外するのかをちょっと考えると、それは一番簡単だからと気づくかもしれません。すると、B1C2とか、B2C1とかで考えれば楽かもしれないと気づき、素早く正解できますね。ここをB3C2とか、B2C3、B2C2などを選んでしまうとルール4(ストップ)にひっかかりまくり、シミュレーションが大変になってしまいます。おそらく3〜4分違ってしまいます。
以上がこの問題の必要最低限ですが、当方はこの問題おもしろかったので、8通り全部試してみました。すると移動回+ストップ回の合計を調べて合計の少ない進み方を「快適」と勝手に定義すると、B1C1やB2C1タイプが一番、以下B3C1,B1C3,B2C3<B2C2,B1C3,B1C2の順になりました。ここから大胆仮説。結局3台とも遅いのがベスト、Bが少し早め、C普通。BCとも速め、B遅く、C速めの順に快適度が下がる。と合計値から言えました。そして、そりゃそうだなーみんなが遅ければのんびり旅で到着時間もまあ我慢できる範囲かもしれません。Bが速めCが遅めもまあいいのですね。最後にだめなのはBもCも速いタイプです。そりゃーそうです。前の車が遅く、後ろの車が速いから今日の渋滞の原型ができあがっているのですから・・・ですが、この当たり前の真理を8つのシミュレーションで論文まがいに分析可能なのですから、おもしろい!いい勉強しました。なお、声の教育社の解答のB2C3タイプのストップ回数はひょっとして6ではなく5では?当方が違っていたらごめんなさい。
問3 算 速さ・時間・距離の問題の一種。車@と車Aの間で車Bが@に2度追いつき、Aに抜かれない範囲で進む速さを調べる問題。その速さ(時速)が整数になるものを答える。なるほど、正解は時速27km以上36km未満の整数。いつものことですが、1つ答えればいいのですね。この問題の基礎は私立中入試勉強の学習です。そういう勉強をした生徒さんが少し有利ですね。
2
問1 社(歴史) 鹿苑寺金閣は足利義満の時代にもかかわらず、建物の一部に寝殿造りの形式が取り入れられている。義満のしたことでこれと同じ理由で行ったことを年表中から選びその内容で説明する。同じく応仁の乱と関ヶ原の戦いの根拠の違いを年表から選び説明する。質問文の若干の回りくどさが答えの仕方に影響します。いいたいことは何度も読めばわかるのです。つまり足利義満は朝廷(天皇)より格上になりたかったということです。
もう一つの戦乱の問題は、イなら、応仁の乱対承久の乱。違いは武士対武士の闘いと幕府対朝廷の戦いの違い。エなら応仁の乱対関ヶ原の戦い。模範解答例では、戦いの場所が京都か美濃か、だそうですが、根拠という言葉を使う以上、戦いの大義名分またはその後ろに控えていた利害関係を小学生なりに説明するのではないのでしょうか。応仁の乱は幕府の将軍の跡継ぎ問題、関ヶ原の戦いは豊臣家の後見人としての資格の争いだったのでは。はっきり言ってピンとこない答えです。百歩譲っても、戦場はたしかそのときの状況で変化していたはず。たまたま関ヶ原になってしまっただけのことではなかったでしょうか。わからない模範解答です。
問2 地理 京都の碁盤の目の道が今に残るのを利用して、朱雀院が平安京当時の区分けだと「右京四条一坊」になることを例として説明した後、西本願寺または東寺を平安京当時の区分けで表現する問題。おもしろい!
問3 理・社 知床を世界遺産登録するために行った「堰(せき)」の改良の結果、カラフトマスが上流に戻ってきたことを資料の表から具体的に計算して説明する。定例の少数の割り算計算がここで出ています。
3
問1 理 蝶の目・足・はねと「節」の関係。モンシロチョウの説明をアゲハで利用して答える。
問2 理 アゲハのさなぎの色が「緑」だったり「茶色」だったりする理由を観察実験で探る問題。初め、実験1で表面がつるつるの写真用紙同数枚に緑や茶の色をつけてアゲハのさなぎ直前の幼虫をとまらせます。結果は10匹のさなぎはすべて緑。次ぎに実験2で表面がつるつるの写真用紙と表面がざらざらの紙やすりで、さらに明るい部屋か暗い部屋かの4分類で調べます。結果の表を分析すると、つるつるで明るいとほぼすべて「緑」(0.9倍の頻度)。ツルツルで暗いと頻度0.8倍で茶、ざらざらで暗いと頻度0.9、ざらざらで明るいと1.0が茶。ここまでを資料として生かせばOKの問題。この問題はうっかり普段の常識でつるつるの写真紙は白、ざらざらでかみヤスリは茶色というような先入観が頭を支配すると混乱が始まってしまいます。当方がしばらくそうだったのです。ふと気がつくと、つるつるとは「葉」のこと、「ざらざら」とは幹または「茎」の感触じゃないですか、あーそうか、アゲハは留まった場所の触感で色を変えているのか!と了解しました。良い問題です。
問3 理 アゲハのさなぎは秋になると越冬してから蝶になることを実験・観察した問題。秋の終わりごろでも室温25度で飼育すると50日余りで成虫になるが、5度に冷やしてから25度に戻すと冷やした期間の長さに応じて成虫へのなり方が変化することを説明する問題。これも良い問題です。
適性検査U 9問あります。
1
共同問題
問1 算 立方体の頂点や各辺の中点から3点を結んだ大きさの違う三角形を二つ書く。とてもやさしい問題。それ以上ではありません。
問2・3 算 正三角形を16個用意し、中の線の数を数える。文章がだらだらと長いので、早読みしすぎると何を言いたいのかが不明になります。あっさり、中の重なる辺は1本と数えると「見かけ上の辺の数」を導き出す公式ができるので、それを文章で説明する問題。そのうえで、10段のときの「見かけ上の辺の数」をその公式にもとづいて導き出す。難しすぎずやさしすぎずでちょうど手頃な公式化問題だと思いました。
2 社・算 野菜をテーマにした調べ学習からスタート。
問1 社 太郎君のお父さんの家庭菜園の土の温度変化(8月6日)のグラフが紹介されています。珍しい。グラフの裏付けがありそうで、なさそうで、おもしろいですね。グラフの内容そのものとしても、8月の13時から15時まで、わらを敷かないと50℃を越すのですね。ビックリの高温!で、わらを土の上に敷いた理由をその資料から説明する問題です。すぐわかります。
問2 算 なす、たまねぎ、きゅうり、ピーマンの生産上位5県の表を出し、その上位3位までの県の全国に占める割合を計算し、必要事項をカードにまとめる。
問3 社 東京都大田市場へのピーマンの月別入荷量のグラフが紹介され、茨城県水戸市、宮崎市、高知市からの東京までの国道距離、各県の月別平均気温表を紹介し、そこからピーマンの産地の特色を説明する。最初のピーマンの月別入荷量のグラフで1月か8月に注目するとすぐ書き始められます。
3
問1 理・社 昔の人が時間を計るのに利用した仕組み。太陽、ふり子、ろうそくから一つ選び、時間を計るのに適している理由を書く。
問2 算 表1を調べると、0〜100個から1400〜1500個までは規則正しく100グラムあたり1.1秒かかっていますが、1600個より後になるとかかった時間が長くなってきています。わかった!と思い、グラフを選ぶときに、うっかりウとしないようにしましょう。おそらくここが引っかけ問題なのです。
普通のグラフは横軸が時間、縦軸がその結果になるのです。当方、私立中学受験学習では、「時間」は100%横軸!と強調する時期すらあります。ところが、この問題は原因にあたる横軸が「落ちたプラスチックの量」で結果にあたる縦軸が「かかった時間」なのです。めずらしい!本当にめずらしい!ですから、結果はイなのですね。
問3 理・算 プラスチックの玉が落ちる量と時間を調べる問題。底の穴のかたち、円筒が太いか細いか、案外先入観と違うかもしれません。まちがえないように表を調べることですね。
適性検査U 9問あります。毎回そうですが、9問ですから単純計算で一問平均5分で解くのです。ときどき我に返り、時間のなさに愕然とします。とにかくひねりのきつい問題はパスして、テキパキと処理しましょう。
1
算数
問1 算 図1のさいころを展開図化する。簡単です。ひねらないで見たままそのまま書きましょう。
問2 □○□+□○□=7この式に、○欄には×÷+記号のどれか、□欄には1、2、3、4、5、6のどれかをいれて式を作る。ちょっと面倒なのは「どのように考えて式をつくったのかを説明する」のも質問なところですね。答えはすぐにでますが、説明に手間取る受験生さんもいるかもしれません。
問3 算 さいころの周りに手前と上は開放して3枚の鏡で囲い、もとのさいころと鏡面に写る計8つのさいころの見えている数字をたす問題。図6の数字は60。質問で、もとのさいころの見えている2と3の数以外で同様な作業をする。そして、面の数の合計を求める。またしても60。それを「太郎さんのきづいたおもしろいこと」として答えさせる問題。図6の結果が60になることを確認する作業は、当方は必要と思うのですが、時間の無駄と思う受験生もいたでしょう。実際そこらでまごまごすると数分無駄になります。もう一つ、なぜなのかの「知りたい欲求」がわきあがるかもしれませんが、しなくていい。次の問題に進みましょう。
2 社・算
問1 算 東京タワー(333m)と東京スカイツリー(634m)が同じ高さに見える写真を見て、見る場所から東京スカイツリーまでのの距離と東京タワーまでの距離に着目してなぜかを答える。
634÷333=1.90倍つまり約2倍に気づき、図形の相似のアイデアを利用し、写真を撮った場所からの距離が約2:1と判断すればいいのですね。
問2 社 東海道新幹線の路線がつないでいる都市や地域の特徴として資料からわかることを説明する。書き方として図2と表1の場合は異なる都市を二つ以上説明の文の中で使う。図2と表2の場合は、異なる工業地域・地域を二つ以上使う。の注釈があります。するとどうしても「二つ」ばかりが記憶に残りがちですが、以上ですから全体を比較してももちろん良いのです。証拠に模範解答例では都市名が5つもでています。
表1で1960年における「人口が多い上位都市8都市」。表2で1960年の「おもな工業地帯・地域の製造品出荷額」のグラフが紹介されています。見るとビックリです。
都市の順位は
1960年、東京23区(8310千人)、大阪(3012千人)、名古屋(1592千人)、横浜(1387千人)です。
2018年、東京23区(9273千人)、横浜(3725千人)、大阪(2691千人)、名古屋(2296千人)、です。
特筆すべきは横浜の増加率2.7倍、です。5位以下での福岡647千人→1539千人。増加率2.4倍。川崎633千人→1475千人。増加率2.3倍。これもすごい増加。横浜と川崎は東京圏なのでそう不思議ではありませんが、福岡の躍進は改めて注目すべきですね。
工業地帯・地域の製造品出荷額の順位は(単位1960年:億円)(単位2018年:兆円)
1960年、京浜(38504)、阪神(32520)、中京(16835)、瀬戸内(12483)、関東内陸(6809)、北九州(6465)です。
2018年、中京(57.1)、 阪神(32.3)、 瀬戸内(31.2)、 関東内陸(30.8)、京浜(26.1) です。
特筆すべきは京浜の順位後退と中京、関東内陸の順位上昇ですかね。
問3 社・算 表3はオリンピックの翌年1965年と1990年の暮らしの変化を比較した表( 「総務省統計局の家計調査年報」)をもとに、1990年の食料・住居・光熱・衣類・その他の合計に対しての倍率を計算してグラフを書く。最低でも4回少数割り算をします。さらに、その完成させた図3と「1965年から1990年までに家庭電化製品と乗用車の普及の様子グラフ」(図4)から読み取れることを説明する。図3からは〜図4からは〜のような書き方をすればよいのですね。難しくはありません。
3 理 問1はスギの花粉の話から。問2問3は黄砂の話。特に黄砂の話は豆知識だらけで興味深い質問でした。
問1 理 スギの花粉とヒノキの花粉の数を顕微鏡で調べる問題。低倍率(見えている範囲4平方ミリメートル)のときと高倍率(0.25平方ミリメートル)のときの顕微鏡で観察した図から1平方センチメートルあたりの花粉の数を推計する。
円の中に見えているそれぞれの花粉の数を1平方センチメートルは100平方ミリメートルなので、それぞれ100÷4=25倍。100÷0.25=400倍すればよいのですね。
問2 理 黄砂を観測する装置を使った計測装置の観測結果を図2で説明し、理解した上で、その意味と具体的な@とAの観測結果を選択し、選ぶ問題。やさしいです。
問3 理・算 日本で黄砂が観測された日数が春に多く、夏になると少なくなる事実を、鳥取大学乾燥地研究センター監修等のグラフ(図5〜図8)から読み解き、黄砂が観測された日数に影響を与える3つの要因の一つと関連づけて説明する。
図5〜図8はどれも興味深いグラフですが、降水量が少ないと乾いた砂になることから説明をするなら、図5と6、日本まで黄砂がたどり着くことを説明するならば、図7と8をもとにして書けば良いですね。
![]() 個人の趣向でほぼ2年ごとに全都立中10校から選んだリスト内共同問題言及版です。あくまで脳トレとして、Cタイプ(脳トレの宝庫)の訪問者さん向けに書いています。
当方、パズル系の問題にはあまり興味がわきませんので、取り上げる頻度が少ない点はお許し下さい。
2018・9・30(日)
この3年、結果としては、くせのある問題が多くなりました。どうやら発足以来13年も立つと、白鴎中の最初の適性検査と比べ、複雑化してしまいました。ここにとりあげなかった問題の中には、「そりゃ無理でしょ!問題」が算数系で多かった。それと、適性2の一つだけを自校独自問題にした学校や適性3だけ独自問題とした学校の算数出題率が多すぎです。同じく、私立中入試対応問題に近づく傾向がはっきり出ています。ある意味、分岐点にさしかかっています。公立独自の存在感!当方の言う、「おもしろい問題」を必死に志向していただけると応援のし甲斐があります。がんばっていただきたい!
1 共同問題 2015(H27)適性2 問題3 水から飛び出す際のイルカの形に似ているかもね?
6つのタイプの立体図形を水中から飛び出させるとどれが一番高く飛び上がるか?という質問です。なるほど、そう来ましたか!えーと、案外アイディアが、・・・しっかり表を調べればわかるのです。今も続く、典型問題。ところで、出来た後で当方、気がついたというか、勝手に想像力の羽を伸ばしてイルカのジャンプする姿を思い出しました。で・・・それだけです・・・
2 共同問題 2016(H28)適性2 問題1 渋滞の理由を簡単化してシミュレーションしてみる
お正月の車の渋滞から話はスタートします。渋滞はどうして起こるか?有名なだらだらした下り坂でというのとは違い、そもそもの発生原因である、信号のない高速道路でも前の車のブレーキによったり、速さが異なったりすると起きる渋滞。そのことを、A、B,Cの3台の車で説明する問題。16のます目を用意し、左から10ます目がゴール。1回に進むルールを決めるとAが遅いと後ろのBやCが一回休みになる(つまり渋滞)。10ます先までに休みが何回出るかを調べる。話を了解するまでに若干時間がかかる。そのあと、シミュレーションするときに下手な移動をすると手間取る。例としてCをゆっくり走らせると意外なことに答えは簡単になります。渋滞の話としては邪道なのですが、答えは出ればいいのですから・・・書いてみるといろいろと大人も学べます。
3 共同問題 2017(H29)適性1 問題3 グラフの縦軸の単位に「時間」が使われているなんて!
おもしろいというより、意外!砂時計を作る実験で、代わりに大きさ、形、重さが均一のプラスチックの小球を砂に見立てる。プラスチックが落ちる量と、かかる時間を調べ、グラフにする。すると、あるところまではきれいな比例のグラフになるのですが、最後になってくると落ちる量あたりの時間が長くなってくる。それをグラフ化したア〜エから適切なものを選ぶ。それだけなので、とても簡単なのですが、当方、あれ、と思ったことが一つ、何と縦軸が時間なのです。普通、小中学生のグラフは、因果関係から横軸が原因・縦軸が結果と判で押したようになっているのですが、今回は縦軸が時間!慣れすぎた生徒さん、うっかりがおきたかも・・・めずらしいものを見ました。頭は柔らかに!ですね。その意味でここに掲載します。
2018・9・30(日)
初稿脱稿 2017/11/17(金)
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