2023 東京ガーデンテラス紀尾井町 個展 「雲根 - おわりのないものがたり」 展示風景 |
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雲根UNKON – おわりのないものがたり 2021年 いりや画廊での個展に引き続き、「雲根」をテーマにしています。 禅僧の漢詩資料である『中華若木詩抄』に、「雲ハ石ヨリ生ズルニヨリテ、 石ヲ雲根ト云ゾ」とあります。 高い山の岩にぶつかった水蒸気は、命を得て湧き上がり、 さまざまな形に変化していきます。それが雲だというのです。 つかみどころの無い雲の根源、つまり「雲根」は、 正反対に圧倒的な存在感をもった石なのです。 石から生まれた雲は、雨に姿を変え、岩山へ降り注ぎます。 雨は激流となり滝となり、山を削り、流れ落ちていきます。 一方では、小さな雫となって一滴、また一滴としたたり、 途方も無く長い時間をかけて岩に穴を穿ちます。 時には宝石のように光る粒になって、植物の葉の上を転がっていきます。 自由に姿を変えながら流れ、集まった水は蒸発し、 高い山の岩にぶつかって再び雲になるのです。 かねてより石とガラスを素材に、そこにあることはわかっているのに 触れようと手を伸ばしてもすり抜けていく「何か」を 作品として表現してきましたが、今回「雲根」を 終わりの無い石と雲の物語として表現しています。 硬い石を磨き上げずに輪郭が作られ、 曖昧と確かさが背中合わせに共存する石彫作品。 鋳造した塊を削り、磨いて形を作る過程で、生み出される 半透明の色と滑らかさ、そして形が一致することで生み出される 触覚的な気体感を感じるガラス。 この二つの素材が融合されることで、 ゆっくりと時を刻む「雲根」空間を創出致します。 |
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