漢検準1級合格体験記
〈反省編〉
 反省点・展望
振り返ると、試験が近づいたころに経理の〆に直面し、そちらに忙殺されてしまったのが悔しいというか、これが当たり前の「大人が本業の合間にする受験」でした。結局春にがむしゃらに2ヶ月弱、夏に全1017字本を23日、秋に立て直し計画の下での2ヶ月弱計4ヶ月半関わったことになります。「漢検準1級3ヶ月攻略法」サイトの管理人さんは「大学受験のとき以上に勉強して」3ヶ月で合格したそうですが、そういう感慨がよくわかります。私の場合も、この4ヶ月半は相当に真剣で、余暇はぎりぎりまでこの漢検のみに使いました。おそらく平均で1日1.5時間は学習したと思います。結果は自己採点で168点ですが、この後まだ思わぬ減点があるので、すれすれで合格したか、しなかったかと言うところ。
知ったことは、漢字は相当いい加減な変更もあり、「煽る」の横一のように昔は右から左の筆順が今では左から右などという正反対も結構あり、まじめになって教師としてルールを教えるのが憚るような例がポロポロ見えだしました。常用漢字に代用変換した字の基の字を知るにつけても、いい加減な点が目に付いて、複雑な思いがしました。
最後の文章題の漢字分野は明治から大正にかけての小説からて出されているのですが、その内容に興味のわかないことといったらなかったです。自然の描写は別ですが、筋立てには本当に興味がわかず、内容を味わって読んだことがありませんでした(書いていて我ながら少々悲しく情けないです。明治も大正も昭和も遠くなりにけりですねー)。私は何のためにこの級を学習したのでしょう・・・否定と肯定が入り交じる学習内容。この辺りがこの試験の正体でしょう。この級でこれだから1級のことは考えたくもありません。
 知らなかった言葉・表現
日本語の隠し味を味わいました。趣味だったら最高です! こぼれ幸い。椀飯振る舞い。すわえ。しもと。怖(お)じる。缶(ほとぎ)・・・
 なつかしかった言葉
そう、あった、あった・・・薪・鍬・鋤・箪笥・醤油・煎餅・金鍔・栄螺・箸・薬缶・蒲鉾・蓬・甑・箆・矩(差し金)・蝋燭・行李・袴・鞄・鞠・・・
 自然がいっぱい
これでは物足りない人はいよいよ1級への旅です! 林檎・山葵・葡萄・蝋梅・瓢箪・茄子・松茸・韮・蕪・麒麟・蜘蛛・蛸・蟹・鯛・鰺・鯖・鰯・・鸚鵡・鶯・鴛・鳶・鷲・鷹・葦鹿?・・・
 一つ大発見
この学習は英単語暗記学習と極似。つまり、音読もしくは音聴で効率を上げることが可能です。「CDで聞く漢検準1級」という本が可能。あらかじめ書いたり読んだりしてある漢字は聞くと頭に蘇ります。蘇らなかった漢字を再チェックすればいいのです。実際私は@の本の読みのところでICコーダーに録音して覚えようとした時期があり、耳によく残り、予想以上に覚えられました。どうですか?誰もまだ出していません!
 結果  あれまあ!
1回目 2003/7/16(水) 146点 不合格  
2回目 2003/11/16(日)   合格 インターネットで確認。点数等の詳細は不明。
しばらく充足感に浸っていました。ところが、2003/11/23(日)合格証書が届き、点数は何と160点とわかりました。「そうか、準1級のびりか!」とか「ぎりぎり合格で自分の運を使い切ってしまったのかも……」などと複雑な気持ちです。
 字のくせ(悪筆) 一生懸命書くのですが、なお本人の自覚しない間違いがあります。
もともと書くのは苦手ですから、自分の字のひどさは知っています。身近な人はきっと「あの悪筆でも受かるんだ」とおっしゃるでしょう。私自身、この悪筆でも漢検は受かることがわかり、心底自信を持てました。一方、前回は「白」の点で大発見でしたが、今回の予想外の8点分の×を検討をしてみても、「捲土重来の捲」、「位牌」、「匪賊」、「栴檀」の4つがなぜ×だったかは私にはわかりませんでした。いくら何でも有名な「栴檀」は間違わなかったと思うんだがなー。とか、どうしてもうじうじと未練たらしくなってしまいます。
 思いこみ係数 何だ、そりゃ?
こうやって毎回間接的ですが、自分の勘違いと向き合います。何度も受けられる方は、思いこみ係数とでもいうものが算出できそうです。つまり、自己採点結果÷得点=思いこみ係数。私の係数は1.05。いいかえれば5%の水増しをしていると思えばいいのでしょう。うーん、相当いい加減でしたね。これが低い方はきっと合格可能性大です。
 最後に  ようやく終わりです
もしここまで読んで下さった方がおられましたら、ここまでの不遜な発言をお許し下さい。不遜ついでに申しますが、漢検準1級は一生懸命なら必ず受かる試験と念じて受けました。この時代に半年前後熱くなれました。とても貴重な体験でした。生意気にもこういう雑文を書き記しますが、始めに申しましたように、情報の密度だけはあると確信しております。最後までのご一読ありがとうございました。
みなさんの漢検合格をお祈りしています。がんばってください!
 参考:漢検協会発表の検定受検状況  なぜ合格率がこんなに上下するのか
毎回これほど合格率がぶれるということは問題の練度がまだ不足なのでしょうか。TOEICのように「何度受 けても難易度は同じに設定してある」と大言壮語ができるまでになるといいのでしょうが、まあ、もう少し母集 団が増えないとどうにもならないかもしれませんし・・・点数を160点で切っているのですからしかたがないの でしょうね。受ける側としては「当たりはずれの回」があるような印象を抱きます。(上記の資料は漢検協会発行の過去問集に拠ります。平成14年は資料が過去問集未掲載でした。)
(初稿 2004年6月6日)

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